コラム

原油相場が厳しい理由はコロナだけではない

2021年01月21日(木)17時25分

Baona-iStock.

<コロナによる大打撃から回復しても、長期的には下落トレンド突入へ>

原油は新型コロナの影響を最も強く受けた分野の1つである。全世界でロックダウン(都市封鎖)が行われた2020年4月には、石油需要が急減するとの予想から先物価格がマイナスになるという前代未聞の事態まで発生した。

その後、原油価格は反転し、現在は1バレル=50ドル台で推移している。コロナ前との比較では7割程度だが、現在の経済活動の水準から考えれば妥当な水準だろう。

だが長期的に見た場合、原油市場にはこれまでにない逆風が吹いており、防戦一方の相場となるのはほぼ間違いない。

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脱炭素に背を向け、原油市場の最大の守護者となっていたアメリカが、バイデン政権の誕生によって、とうとうグリーン経済に舵を切る方針を明確にした。

英石油メジャーのBPが、今後急ペースで石油需要が減少するという衝撃的なリポートを公表したことも話題となっている。4月の先物価格のマイナス化という現象についても、長期的な石油需要の劇的な低下という見通しが背景にあればこそと考えたほうがよいだろう。

短期的には原油相場はコロナ次第という面が大きく、経済活動が復活すればその分だけ需要も回復するので、堅調に推移する可能性が高い。

だが長期的には下落トレンドに突入した可能性が高く、短期的に価格が上昇しても、徐々に上値が切り下がっていく展開が予想される。

<2021年1月12日号「2021年に始める 投資超入門」特集より>

プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネスなどの分野で執筆活動を行うほか、テレビやラジオで解説者やコメンテーターを務める。『お金持ちの教科書』(CCCメディアハウス)、『スタグフレーション』(祥伝社新書)、『本気で考えよう! 自分、家族、そして日本の将来』 (幻冬舎新書)など著書多数。

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