ニュース速報

ワールド

米大統領、習主席を「独裁者」と表現 中国反発

2023年06月22日(木)06時11分

 6月20日、バイデン米大統領は、米カリフォルニア州での資金調達イベントで中国の習近平国家主席を独裁者だと述べた。サンフランシスコで撮影(2023年 ロイター/Kevin Lamarque)

[ケントフィールド(米カリフォルニア州)/北京 21日 ロイター] - バイデン米大統領は20日、米カリフォルニア州での資金調達イベントで中国の習近平国家主席を「独裁者」と表現した。

前日には、ブリンケン米国務長官と習主席が両国間の緊張緩和に向け北京で会談を行っていた。

バイデン氏は中国の偵察気球が2月に米本土上空に飛来したことについて「貨車2台分のスパイ機器を載せた気球を私が撃ち落とした際、習氏がひどく気分を害したのは、彼が気球の位置を把握していなかったからだ」と発言。

その上で「これは独裁者にとって非常にきまりが悪い。何が起きたか知らなかったのだから。(気球は)あの場所を飛行しているはずではなかった。コースを外れたのだ」と述べた。

米中間ではこの問題や米国と台湾の当局者往来などを背景に緊張が高まった。

バイデン氏は中国が経済的困難を抱えているとも指摘した。

さらに、習氏が日米豪印4カ国による安全保障の枠組み「クアッド」に懸念を抱いていたとし、クアッドで中国を包囲する意図はないと同氏に伝えたと説明。習氏は自分を窮地に追い込むからやめるようバイデン氏に電話で伝えてきたという。

中国外務省の毛寧報道官は、バイデン氏が習主席を「独裁者」と表現したことについて、21日の定例会見で、中国の政治的な威厳を深刻に損なうもので、公の場での政治的挑発に等しいと非難。強い不満と断固たる反対を表明したことを明らかにした。

米国務省のパテル副報道官は、バイデン大統領の発言が今後の米中当局者の訪問に影響するかという質問に対し、米政府は引き続き「適切な時期に」関与する見通しと応じるにとどめた。

さらに「バイデン大統領は外交が、緊張への対処や誤解の解消、誤算の回避に向けた責任ある方法と考えている」と強調。「それは無論、われわれが互いの違いについて率直な対応を取らないというわけではない」と述べた。

習氏とブリンケン氏は19日の会談で、米中関係を安定させ、対立を回避することで合意。今後数週間から数カ月の間、米当局者の訪中を増やし、外交的関与を継続することでも合意した。

バイデン氏は20日、ケリー米大統領特使(気候変動問題担当)が近く中国を訪問する可能性があると述べた。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ソフトバンクなど3社、米AIに最大5000億ドル投

ワールド

米国土安保省、全ての諮問委員解任 トランプ政権発足

ビジネス

日経平均は続伸で寄り付く、半導体関連しっかり トラ

ワールド

TikTok、米アプリストアで利用できず 禁止措置
MAGAZINE
特集:トランプの頭の中
特集:トランプの頭の中
2025年1月28日号(1/21発売)

いよいよ始まる第2次トランプ政権。再任大統領の行動原理と世界観を知る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 2
    被害の全容が見通せない、LAの山火事...見渡す限りの焼け野原
  • 3
    「バイデン...寝てる?」トランプ就任式で「スリーピー・ジョー」が居眠りか...動画で検証
  • 4
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 5
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 6
    大統領令とは何か? 覆されることはあるのか、何で…
  • 7
    トランプ新政権はどうなる? 元側近スティーブ・バノ…
  • 8
    世界第3位の経済大国...「前年比0.2%減」マイナス経…
  • 9
    電子レンジは「バクテリアの温床」...どう掃除すれば…
  • 10
    米アマゾン創業者ジェフ・ベゾスが大型ロケット打ち…
  • 1
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 2
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性客が「気味が悪い」...男性の反撃に「完璧な対処」の声
  • 3
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 4
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 5
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 6
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 7
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 8
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 9
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 10
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 9
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 10
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中