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米与野党が銀行規制巡り激しい論戦、民主は前政権の緩和措置批判

3月13日、シリコンバレー銀行(SVB)とシグネチャー銀行の経営破綻を受け、米与野党間で銀行規制を巡り激しい論戦が繰り広げられた。写真は米首都ワシントンで2008年撮影(2023年 ロイター/Jim Young)
[ワシントン 13日 ロイター] - シリコンバレー銀行(SVB)とシグネチャー銀行の経営破綻を受け、13日に米与野党間で銀行規制を巡り激しい論戦が繰り広げられた。
与党民主党は、トランプ前政権時代の規制緩和が地銀の安定を損ない、今回の事態を招いたと主張。野党共和党がこれを真っ向から否定している。
焦点となっているのは、2018年にトランプ政権下で共和党が主導して成立させた金融規制改革法(ドッド・フランク法)の修正で、システム上重要とみなして厳しい監督対象とする銀行の資産規模が500億ドルから2500億ドルに引き上げられたこと。昨年末時点でSVBの資産規模は2090億ドル、シグネチャー銀行は約1100億ドルだった。
無所属ながら民主党と統一会派を組むバーニー・サンダース上院議員は「SVBの破綻は、トランプ前大統領が署名した2018年の愚かな銀行規制緩和の直接的な結果であるのは明白で、私はこの緩和に強く反対したのだ」と強調した。
一方共和党のビル・ハガティ上院議員は「それは全く当てはまらない」と反論。与野党議員グループの1人として財務省と連邦預金保険公社(FDIC)からの説明を聞いた後のインタビューで、これはどこから見てもサンフランシスコ地区連銀の監督とSVBの経営の失敗に尽きるとの見解を表明した。
その上でハガティ氏は、議会として新たな銀行規制を検討する前に、まずサンフランシスコ地区連銀とSVB経営陣の責任の所在を追及すべきで、SVBの最近の成長と事業モデルを認識していた同連銀は問題発生を予期してしかるべきだったと付け加えた。
民主党のエリザベス・ウォーレン上院議員は米紙ニューヨーク・タイムズに論説を寄稿し、一部の責任は金融機関がリスクを積み上げるのを野放しにした銀行規制当局にあると指摘した。
元財務省高官のジョナー・クレイン氏も、「幾つかの大きなミス」の1つとして、米連邦準備理事会(FRB)が銀行に対して金利上昇局面に向けたストレステスト(健全性審査)をたった1回しか実施しなかった点を挙げた。
専門家からは、議会で早期に新たな銀行規制が可決される見込みは乏しいので、規制当局がより迅速に対応しなければならないとの声が聞かれた。
*動画を付けて再送します。