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NATO弾薬備蓄引き上げ、ロシアは新たな攻勢すでに開始=事務総長

北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は13日、懸念されていたウクライナでのロシアの新たな大規模攻撃がすでに始まっていると述べた。2021年10月撮影(2023年 ロイター/Pascal Rossignol)
[ブリュッセル 13日 ロイター] - 北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は13日、懸念されていたウクライナでのロシアの新たな大規模攻撃がすでに始まっていると述べ、NATOは枯渇しつつある弾薬の備蓄目標を引き上げると表明した。
記者団に対し「全面侵攻開始から約1年が経過したが、ロシアのプーチン大統領が和平に向けて準備している様子は全くなく、新たな攻勢をかけている」とし、「プーチン大統領およびロシアはウクライナをなお支配しようとしている」と指摘。「ロシアがより多くの軍隊、兵器、能力をどのように送るかを確認する」とした。
その上で「われわれがロジスティックスの競争にさらされていることは明らかだ。ロシアが戦場で主導権を握る前に、弾薬、燃料、予備部品などの重要な物資がウクライナに届けられなければならない。スピードが命を救う」と語った。
また「プーチン大統領は何千何万という軍隊を増派し、極めて多くの犠牲を容認し、大きな損失を出しながらもウクライナに圧力をかけている。ロシアは質で不足するものを量で補おうとしている」と述べた。
こうした中、ウクライナでの戦争で枯渇しつつある弾薬の備蓄目標を引き上げる計画を表明。「ウクライナでの戦争で膨大な量の弾薬が消費されており、防衛産業に負担をかけている。そのため、われわれは生産を増やし生産能力に投資する必要がある」とした。
ウクライナ軍は毎日最大1万発の砲弾を発射。ストルテンベルグ氏は「ウクライナの現在の弾薬使用ペースは、われわれの現在の生産ペースを何倍も上回っている」と述べた。
大口径弾薬の確保にかかる時間が28カ月と、これまでの12カ月から伸びているため、西側諸国は生産を増強する必要があるとし、NATOが自国の領土を守りながらウクライナを支援し続けるためには、弾薬の供給量の増加が不可欠と述べた。
また、あすから2日間の日程で開催されるNATO国防相会合で、航空機を巡る問題が議論されると言明。ただ、NATO加盟国がウクライナに戦闘機を供与してもNATOが紛争の一部になることにはならないと強調した。
NATO国防相会合では、加盟国が国内総生産(GDP)の2%を国防費に充当するというNATOの目標を巡る議論も開始される見込み。一部の加盟国は、域内で戦争が起こっていることを考慮するとこの目標は過度に低く、軍事費を拡大すべきと主張する一方、ドイツなどは2%の目標達成さえ困難な状況となっている。