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米中国防相、バイデン政権下で初の対面会談 台湾問題で譲らず

米国のオースティン国防長官と中国の魏鳳和国防相は10日、アジア安全保障会議(シャングリラ会合)の合間にシンガポールで会談した。昨年1月撮影。(2022年 ロイター/Tingshu Wang/File Photo)
[シンガポール 10日 ロイター] - 米国のオースティン国防長官と中国の魏鳳和国防相は10日、アジア安全保障会議(シャングリラ会合)の合間にシンガポールで会談した。台湾問題ではそれぞれの立場を譲らなかった。
会談は当初の予定の2倍となる1時間近くに及んだ。両氏は4月には電話会談を行っているが、バイデン米政権下で初の対面会談となった。
会談後、中国と米国の高官は会談が友好的であったことを強調した。しかし安全保障上の問題を解決するための突破口は見いだせなかった。
魏氏は会談は「スムーズに進んだ」と述べた。中国国防省報道官によると、魏氏は台湾が中国の一部であるとする確固とした姿勢を改めて表明した。
米国防省は声明を発表し、オースティン氏は台湾に対する「不安定化をもたらすさらなる行動を控える」よう中国に求めたと説明した。
米政府関係者によると、会談の大部分は台湾に焦点が当てられ、オースティン長官は中国の軍事行動を批判する一方で、台湾に対するワシントンの立場に変わりはないと指摘。特に人民解放軍の活動に懸念を表明した。
オースティン長官は、中国にロシアへの戦争の物質的支援を行わないよう求めた。中国の報道官は、ロシアに軍事的支援は行っていないと述べた。
台湾外交部(外務省)は米国の支援に謝意を表明するとともに、中国の「不条理な」主権主張を非難。外交部報道官は「台湾は中国政府の管轄下に置かれたことは一度もなく、中国の武力による脅しに屈することもない」と述べた。