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フィンランド、NATO加盟申請へ ロの侵攻受け中立政策転換

5月12日、フィンランドのニーニスト大統領(写真)とマリン首相は共同声明で、フィンランドは北大西洋条約機構(NATO)に「遅滞なく」加盟申請しなければならないと表明した。ヘルシンキで11日、代表撮影(2022年 ロイター)
[ヘルシンキ/ベルリン/パリ/ワシントン 12日 ロイター] - フィンランドのニーニスト大統領とマリン首相は12日発表した共同声明で、フィンランドは北大西洋条約機構(NATO)に「遅滞なく」加盟申請しなければならないと表明した。加盟申請に必要な国内の手続きが今後数日内に実施されることに期待を示した。
隣国スウェーデンも、フィンランドの動きに追随する見通し。ロシアのウクライナ侵攻を受け、両国は冷戦を通じ維持してきた中立政策を転換することになる。
北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は、フィンランドの加盟は「歓迎される」とし、「スムーズかつ迅速な」加盟プロセスを進めることを約束した。
米ホワイトハウスのサキ報道官は「フィンランドとスウェーデンがNATO加盟を申請するなら、われわれは支持し、両国のいかなる決定も尊重する」と語った。
ドイツのショルツ首相もフィンランドの決定を歓迎。「フィンランド大統領と電話で話し、独政府による全面的な支持を伝えた」とツイッターに投稿した。
フランス大統領府が発表した声明によると、マクロン大統領もフィンランドのNATO加盟に向けた動きに支持を表明した。
バルト諸国は共同声明を歓迎。リトアニアのランズベルギス外相は「フィンランドはNATOに加盟することを決めた。NATOは一段と強くなり、バルト地域はより安全になる」と述べた。
フィンランドは約1300キロメートルにわたり国境でロシアと接する。2014年のロシアのクリミア併合以降、NATOとの協力を徐々に強化してきたが、ロシアとの友好関係を維持するためNATOへの加盟は控えていた。しかし、ウクライナ侵攻で政界、一般社会ともに認識が変化し、直近の世論調査では76%が加盟を支持した。
ロシア大統領府のぺスコフ報道官は、フィンランドのNATO加盟は「間違いなく」ロシアへの脅威であり、NATO拡大は欧州と世界の安定につながらないと主張した。