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米、中国33事業体を輸出管理対象に 薬明生物の株価急落

2月7日、米商務省は輸出品目に関して、使用方法などが確認できない企業を掲載する未検証リストに中国の33事業体を追加したと発表した。写真は中国と米国の国旗のイメージ。1月撮影(2022年 ロイター/Dado Ruvic)
[ワシントン 7日 ロイター] - 米商務省は7日、米国からの輸出品に関し、用途について十分に検証ができない企業をまとめた「未検証リスト」に中国の33事業体を追加したと発表した。指定された事業体に製品を出荷するには追加の手続きが必要になる。
同省は、輸出品の用途に関して事業体の合法性や信頼性を検証できないため、同措置を取ったと説明。上場会社や大学、航空宇宙関連および電子製品のサプライヤーが含まれた。
中国の製薬会社、薬明生物技術は無錫、上海両市にある子会社が同リストに追加されたのを受け、8日の香港株式市場で25%余り下落し、時価総額が770億香港ドル(99億米ドル)消失した。
同社は英アストラゼネカの新型コロナウイルスワクチンなど、ワクチンの原料を製造している。米国からは、輸出管理の対象となっている製造機器を輸入していたと説明。リスト指定は、同社の事業や海外の提携先に提供しているサービスに影響を与えないとした。
同社の陳智勝・最高経営責任者(CEO)は8日に開いた投資家との電話会議で、同社は米国の輸出管理に基づき米国から購入した製品の再販や再輸出を禁じられているが、商務省はコロナによる移動制限で中国に出張して同社の順守状況をチェックすることができずにいると説明。このため、未検証リストに追加されたと述べた。
リストに指定された子会社は全て上海と無錫に拠点があり、両市では工場が既に完成しているため、バイオリアクター(生物反応器)のために大量のハードウエアを購入する必要はもはやないと語った。
このほか、レーザー機器や自動化機器を製造する海目星激光智能装備も子会社が未検証リストに追加されたことを受け、株価は7%超下落した。同社は声明で、リストへの追加が業務や財務に深刻な悪影響を与えることはないと表明。今後にどのような影響があるか評価作業を進める方針を示した。