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米債務上限引き上げ、早急な実行を可能にする法案を下院が可決
12月7日、米下院は7日遅く、議会が連邦政府の債務上限引き上げを早急に進めることを可能にする法案を222対212で可決した。写真は米連邦議会議事堂。ワシントンで2016年11月撮影(2021年 ロイター/Joshua Roberts)
[ワシントン 7日 ロイター] - 米下院は7日遅く、議会が連邦政府の債務上限引き上げを早急に進めることを可能にする法案を222対212で可決した。時間稼ぎ戦術を使えないようにすることでデフォルト(債務不履行)の可能性を回避することを目指す。
共和党議員の賛成は1人にとどまった。上院は、上院での債務上限引き上げ承認のスピードアップを目指したこの法案の採決を9日に行う予定だ。
同法案により、連邦政府の借入限度額である現在の28兆9000億ドルを実際に引き上げるための別の法案について、議会は審議を加速することができるようになる。
共和党のケビン・ブレイディ下院議員は「間違えないでほしい。この債務上限は、何兆ドルという無駄な社会主義者の支出のために引き上げられている」と述べた。
民主党は借り入れ上限の拡大について、議会共和党が支持したトランプ前政権時代の減税・支出プログラムの費用をカバーするために主に必要だとしている。
<最上の国益>
上院では通常、多くの法案は手続き上のハードルをクリアするために少なくとも60議員の支持を必要としている。上院共和党トップのマコネル院内総務は債務上限引き上げの促進に同党が協力するという明確なメッセージを送った。
マコネル氏は記者団に対し、「これはデフォルトを回避することによって最上の国益にかなう」と指摘。「9日に採決する」と付け加え、通過への自信を示した。
議会は、イエレン財務長官が求める12月15日までに債務上限引き上げ問題で必要な措置を完了すると見られている。
債務上限引き上げが可決されれば、来年11月の議会選挙までの間、財務省に十分な借り入れ権限を与えることができると期待されている。
7日の画期的な戦略は、数カ月にわたる政治的対立を経て民主党と共和党の議会指導部がまとめたもので、財務省の借り入れ上限を引き上げるための2段階のアプローチを確立することになる。
上院が下院の承認した法案を通過させれば、迅速な手続きの下で債務上限を引き上げる第2の法案が上院で時間無制限ではなく最大10時間審議されるようになる。
上院が単純過半数で可決すれば、下院での最終採決に進む。上下両院ともに民主党がかろうじて多数を占めている。