ニュース速報

ワールド

バイデン氏 アリゾナで勝利 共和党内で円滑な政権移行求める声

2020年11月13日(金)14時33分

 11月12日、エジソン・リサーチによると、米大統領選の激戦州アリゾナ州では民主党のバイデン氏(写真)が勝利するとみられ、選挙結果を覆そうと法的措置に出ているトランプ大統領にとってさらに厳しい展開となった。写真は10日、デラウェア州ウィルミントンで撮影(2020年 ロイター/Jonathan Ernst)



[ワシントン/ウィルミントン(米デラウェア州) 12日 ロイター] - エジソン・リサーチによると、米大統領選の激戦州アリゾナ州では民主党のバイデン氏が勝利するとみられ、選挙結果を覆そうと法的措置に出ているトランプ大統領にとってさらに厳しい展開となった。

バイデン氏はアリゾナでの勝利により、選挙人290人を獲得し、当選に必要な過半数(270人)を上回る。得票数でも520万票(得票率で3.4%ポイント)、トランプ氏を上回っている。

一部の州で集計が続く中、トランプ氏はますます不利な状況に追い込まれている。

共和議員の間ではトランプ氏に対して、バイデン氏への政権移行に協力し、機密情報に関するブリーフィングをバイデン氏が受けられるようにすべきだとの声が高まっている。

トランプ氏は選挙に不正があったとして法廷闘争を繰り広げており、依然敗北を認めていない。一方、バイデン氏は政権移行の準備を着々と進めており、12日にはローマ教皇フランシスコと電話会談した。

大統領就任が内定した候補には、就任前に国家安全保障上の脅威を把握するために機密情報に関するブリーフィングが提供されるのが通例となっている。ただ、こうした引き継ぎは円滑に進んでいない。

ジョン・コーニン上院議員やリンゼー・グラム上院議員を始め多くの共和党議員は、トランプ政権はバイデン氏に機密情報に接する権限を与えるべきだと主張している。

米政府の元高官は、機密情報に関するブリーフィングをバイデン氏が受けることは政権運営の維持で重要だと訴えた。この中には、トランプ政権の元高官も含まれている。

民主党のペロシ下院議長とシューマー上院院内総務は、トランプ氏が政権移行に協力していないことを強く批判。また、新型コロナ景気対策の法案通過に協力するよう共和党に要請した。

政権移行チームによると、バイデン氏は12日のローマ教皇フランシスコとの電話会談で、貧しい人への対応や気候変動対策、移民や難民の社会への受け入れで協力したいとの意向を伝えた。

バイデン氏が大統領に就任すれば、ジョン・F・ケネディ氏以来、史上2人目のカトリック教徒の米大統領となる。

バイデン氏は、11日には副大統領時代に自身の首席補佐官だったロン・クレイン氏を大統領首席補佐官に指名するなど、政権移行を進めている。就任前に主要閣僚の選出を行うと予想されている。[nL4N2HY0HP]

<法廷闘争の継続に批判も>

共和党内からは、トランプ氏が法廷闘争を続けていることを疑問視する声があがっている。

オハイオ州のマイク・デウィン知事(共和党)は12日、CNNに対して「われわれはバイデン前副大統領を次期大統領と考える必要がある」と語った。

共和党の大口献金者として知られるシェルドン・アデルソン氏が保有するラスベガス・レビュージャーナル紙は論説で「選挙での不正がトランプ氏に影響を及ぼしたとの証拠はない。大統領がどれだけツイッターで反論し、支持者がそう願ったとしてもだ」と指摘した。

共和党のジョージ・W・ブッシュ政権で次席補佐官を務めたカール・ローブ氏はウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙への寄稿で、「法廷闘争の日々が終了した時点で大統領は平和的な政権移行を主導し、怒りを捨て、米国を団結させるために大統領としての役目を果たすべきだ」と主張した。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米デルタ航空、25年の利益も好調と予想 株価11%

ビジネス

米利下げ時期予想後ずれ、BofAは利上げも想定 雇

ビジネス

米消費者のインフレ予想急上昇、トランプ関税を懸念=

ビジネス

ディズニーなど米メディア3社、スポーツ動画配信の立
MAGAZINE
特集:中国の宇宙軍拡
特集:中国の宇宙軍拡
2025年1月14日号(1/ 7発売)

軍事・民間で宇宙覇権を狙う習近平政権。その静かな第一歩が南米チリから始まった

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ロシア兵を「射殺」...相次ぐ北朝鮮兵の誤射 退却も阻まれ「弾除け」たちの不満が爆発か
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」
  • 3
    トランプさん、グリーンランドは地図ほど大きくないんです
  • 4
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 5
    古代エジプト人の愛した「媚薬」の正体
  • 6
    装甲車がロシア兵を轢く決定的瞬間...戦場での衝撃映…
  • 7
    悲報:宇宙飛行士は老化が早い
  • 8
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    プーチンはシリア政権崩壊前からアサドの電話に出な…
  • 1
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分からなくなったペットの姿にネット爆笑【2024年の衝撃記事 5選】
  • 2
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵の遺族を待つ運命とは? 手当を受け取るには「秘密保持」が絶対
  • 3
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」
  • 4
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
  • 5
    ロシア兵を「射殺」...相次ぐ北朝鮮兵の誤射 退却も…
  • 6
    装甲車がロシア兵を轢く決定的瞬間...戦場での衝撃映…
  • 7
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 8
    仮想通貨が「人類の繁栄と自由のカギ」だというペテ…
  • 9
    トランプさん、グリーンランドは地図ほど大きくない…
  • 10
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 1
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 2
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊」の基地で発生した大爆発を捉えた映像にSNSでは憶測も
  • 3
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 4
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 5
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 6
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 7
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 8
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    コーヒーを飲むと腸内細菌が育つ...なにを飲み食いす…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中