ニュース速報

ワールド

米、ウイグル族弾圧で中国に制裁 11企業を禁輸対象に追加

2020年07月21日(火)11時25分

 7月21日、米商務省は20日、中国政府による少数民族ウイグル族への人権侵害行為に関与したとして、中国企業11社を輸出禁止対象のブラックリストに追加した。写真はロス商務長官。ニューヨークで昨年12月撮影(2020年 ロイター/Brendan McDermid)

[ワシントン 20日 ロイター] - 米商務省は20日、中国政府による少数民族ウイグル族への人権侵害行為に関与したとして、中国企業11社を輸出禁止対象のブラックリストに追加した。

同省によると、これらの企業は新疆ウイグル自治区でウイグル人や他のイスラム教徒の強制労働に関与していたという。ブラックリストに指定された企業は、米政府の承認なしに米企業から製品を購入できない。

対象企業には、アップルのiPhone向けに部品を供給する南昌欧菲光科技が含まれている。米議会の4月の書簡によると、同社はアマゾン・ドット・コムやマイクロソフトのサプライヤーでもある。これら米企業のコメントは得られていない。

マルコ・ルビオ上院議員によると、中国政府とつながりのある遺伝子解析大手、華大基因(BGI)の子会社もリストに追加された。同議員は、これについて「強制的な遺伝子(DNA)収集など、中国共産党による人道犯罪や、新疆ウイグル自治区におけるウイグル人や他の少数民族への重大な人権侵害に、米国の技術が利用されないようにする」措置だと指摘した。

リストにはこのほか、高速鉄道の電子部品から座席まで生産するKTKグループ<603680.SS>や、ラルフローレンなどの衣料品を生産する企業なども含まれている。

ロス商務長官は「中国政府は市民抑圧のために、強制労働や虐待的なDNA収集・分析計画という行為を積極的に推進している」と非難した。

ワシントンの中国大使館はコメントを控えた。

ウイグル族の弾圧を巡っては、過去2回にわたり37の企業などが

禁輸措置の対象である「エンティティーリスト」に指定され、20の公安機関のほか、監視カメラ大手の杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)<002415.SZ>、顔認証技術を手掛ける商湯科技(センスタイム・グループ)や曠視科技(メグビー・テクノロジー)などが追加されている。

*内容を追加します。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

訂正:旅客機が米軍ヘリと衝突、川に墜落 首都ワシン

ワールド

フィリピンGDP、第4四半期は前年比+5.2%で横

ビジネス

トヨタの24年世界販売3.7%減、過去最高の海外寄

ビジネス

JPX、山道CEOらの報酬減額 東証元社員のインサ
MAGAZINE
特集:トランプ革命
特集:トランプ革命
2025年2月 4日号(1/28発売)

大統領令で前政権の政策を次々覆すトランプの「常識の革命」で世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 3
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? 専門家たちの見解
  • 4
    トランプのウクライナ戦争終結案、リーク情報が本当…
  • 5
    緑茶が「脳の健康」を守る可能性【最新研究】
  • 6
    血まみれで倒れ伏す北朝鮮兵...「9時間に及ぶ激闘」…
  • 7
    東京23区内でも所得格差と学力格差の相関関係は明らか
  • 8
    フジテレビ局員の「公益通報」だったのか...スポーツ…
  • 9
    女性が愛おしげになでていたのは「白い犬」ではなく.…
  • 10
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 3
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果が異なる【最新研究】
  • 4
    日鉄「逆転勝利」のチャンスはここにあり――アメリカ…
  • 5
    緑茶が「脳の健康」を守る可能性【最新研究】
  • 6
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵…
  • 7
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? …
  • 8
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 9
    血まみれで倒れ伏す北朝鮮兵...「9時間に及ぶ激闘」…
  • 10
    煩雑で高額で遅延だらけのイギリス列車に見切り...鉄…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 5
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 6
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 7
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 8
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
  • 9
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 10
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中