ニュース速報

ワールド

トランプ氏「WHOは中国寄り」、新型コロナ対応で批判 拠出金停止も

2020年04月08日(水)14時53分

トランプ米大統領は、新型コロナウイルス感染拡大を巡り、世界保健機関(WHO)が「中国中心主義」で、世界に不適切な提言を行っていると批判し、WHOへの拠出金を停止する考えを示した。6日撮影(2019年 ロイター/KEVIN LAMARQUE)

[ワシントン 7日 ロイター] - トランプ米大統領は7日、新型コロナウイルス感染拡大を巡り、世界保健機関(WHO)が「中国中心主義」で、世界に不適切な提言を行っていると批判し、WHOへの拠出金を停止する考えを示した。

トランプ大統領はツイッターへの投稿で「WHOは大きく失敗した」と言明。「米国による大規模な出資にもかかわらず、どういう訳かWHOは中国中心主義となっている。われわれはこうした点を精査する」と述べた。

さらに、新型コロナ流行にもかかわらず、WHOが1月31日に世界各国に渡航や貿易制限を勧めないと提言したことについて、「米政府は幸運なことにWHOの提言に従わなかった。なぜあのような誤った提言をしたのか」と批判した。米政府は1月31日に中国に対する渡航制限措置を発表した。

トランプ氏はその後、ホワイトハウスの会見でもWHO批判を繰り返した。「彼らは誤った判断をした」とし、「WHOへの資金拠出を停止する」と述べた。

トランプ氏に近い共和党のグラム上院議員は、上院の次期予算法案にはWHO向け資金を盛り込まない方針を示した。

同議員は、FOXニュースチャンネルのインタビューで「私は予算に関する小委員会の責任者だ。現在のリーダーシップ下でのWHOへの資金拠出を支持するつもりはない。彼らはあてにならず、対応が遅く、中国の擁護者となってきた」と語った。

共和党のルビオ上院議員も先週、WHOのテドロス事務局長について「中国政府がWHOを通じ世界を欺くことを容認した」と批判し、辞任を要求した。

国連のドゥジャリク事務総長報道官は記者団に対し、「WHOがテドロス事務局長の下、数百万に及ぶ機器の出荷や訓練支援、世界的なガイドラインの提供など新型コロナ対応で大きな働きをしたことは明らかだ」とし、WHOに対する批判を退けた。

WHOはロイターのコメント要請に応じていない。

*内容を追加しました。

(※原文記事など関連情報は画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください)

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

FRB、制約的な政策の維持必要 物価リスク踏まえ=

ワールド

USスチール買収阻止、国内生産維持に関する決定 対

ビジネス

米ISM製造業景気指数、12月49.3に上昇 9カ

ワールド

株式選択ヘッジファンド、20年以来の平均リターン=
MAGAZINE
特集:ISSUES 2025
特集:ISSUES 2025
2024年12月31日/2025年1月 7日号(12/24発売)

トランプ2.0/中東&ウクライナ戦争/米経済/中国経済/AI......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    早稲田の卒業生はなぜ母校が「難関校」になることを拒否したのか?...「アンチ東大」の思想と歴史
  • 2
    青学大・原監督と予選落ち大学の選手たちが見せた奇跡...池井戸潤の『俺たちの箱根駅伝』を超える実話
  • 3
    カヤックの下にうごめく「謎の影」...釣り人を恐怖に突き落とした「超危険生物」との大接近にネット震撼
  • 4
    イースター島で見つかった1億6500万年前の「タイムカ…
  • 5
    ザポリージャ州の「ロシア軍司令部」にHIMARS攻撃...…
  • 6
    真の敵は中国──帝政ロシアの過ちに学ばない愚かさ
  • 7
    「これが育児のリアル」疲労困憊の新米ママが見せた…
  • 8
    韓国の捜査機関、ユン大統領の拘束執行を中止 警護庁…
  • 9
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 10
    中高年は、運動しないと「思考力」「ストレス耐性」…
  • 1
    地下鉄で火をつけられた女性を、焼け死ぬまで「誰も助けず携帯で撮影した」事件がえぐり出すNYの恥部
  • 2
    真の敵は中国──帝政ロシアの過ちに学ばない愚かさ
  • 3
    JO1やINIが所属するLAPONEの崔社長「日本の音楽の強みは『個性』。そこを僕らも大切にしたい」
  • 4
    イースター島で見つかった1億6500万年前の「タイムカ…
  • 5
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
  • 6
    カヤックの下にうごめく「謎の影」...釣り人を恐怖に…
  • 7
    ヨルダン皇太子一家の「グリーティングカード流出」…
  • 8
    「弾薬庫で火災と爆発」ロシア最大の軍事演習場を複…
  • 9
    スターバックスのレシートが示す現実...たった3年で…
  • 10
    生活保護はホームレスを幸せにするか、それを望んで…
  • 1
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 2
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊」の基地で発生した大爆発を捉えた映像にSNSでは憶測も
  • 3
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 4
    ロシア兵「そそくさとシリア脱出」...ロシアのプレゼ…
  • 5
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 6
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 7
    半年で約486万人の旅人「遊女の数は1000人」にも達し…
  • 8
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
  • 9
    「炭水化物の制限」は健康に問題ないですか?...和田…
  • 10
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中