ニュース速報

ワールド

米議会委員会、ウイグル族弾圧巡る対中制裁を提言

2020年01月09日(木)10時27分

 1月8日、中国問題に関する米連邦議会・行政府委員会(CECC)は報告書で、中国による人権侵害を巡り制裁の発動を求めるとともに、米政府当局者らに対し、人権問題を念頭に入れて通商協議など対中交渉に臨むよう呼び掛けた。写真は新疆ウイグル自治区グルジャ市で警備にあたる警察官。2018年9月撮影(2020年 ロイター/Thomas Peter)

[ワシントン 8日 ロイター] - 中国問題に関する米連邦議会・行政府委員会(CECC)は8日公表の報告書で、中国による人権侵害を巡り制裁の発動を求めるとともに、米政府当局者らに対し、人権問題を念頭に入れて通商協議など対中交渉に臨むよう呼び掛けた。

報告書は、調査対象期間である2018年8月─19年8月に中国の人権と法の支配を巡る状況が悪化したと指摘。宗教的少数派の人々や労働運動家、メディアの弾圧について詳細に言及し、新疆ウイグル自治区での少数民族ウイグル族の扱いにおいて「中国当局は非人道的犯罪を犯している可能性がある」とした。

同自治区で中国政府は顔認識カメラや携帯電話監視システムを導入し、「野外刑務所」を運営しているも同然だと批判した。

また、通商協議などを担う米政府当局者が、報道、言論、結社の自由を米中両国の国益に常に関連付けられるよう米政権側が議題を用意する必要があるとした。

中国による人権侵害への対抗措置として、報告書は弾圧で使われる技術をサポートする企業に対し、米資本市場へのアクセスを制限するよう提言。ウイグル族の大量拘束や監視に関与している企業や当局者には制裁を科すよう提案した。

また、顔認識システムなどの販売業者を事実上の禁輸対象となる商務省の「エンティティーリスト」に掲載することに前向きな見解を示した。

CECCの主席である民主党のジョン・マクガバン下院議員と共和党のマルコ・ルビオ上院議員は、中国によるイスラム教少数民族の弾圧への強硬な対応をトランプ政権に求める新たな法案を検討していると明らかにした。

民主党が多数派を占める下院は昨年、トランプ政権に強硬な対応を求める「ウイグル人権法案」を可決し、中国の反発を招いたが、上院ではより穏健な内容に修正され、今年に入り可決された。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:米テキサス州はしかで死者、ワクチン懐疑派

ワールド

アングル:中国、消費拡大には構造改革が必須 全人代

ワールド

再送米ウクライナ首脳会談決裂、激しい口論 鉱物協定

ワールド

〔情報BOX〕米ウクライナ首脳衝突、欧州首脳らの反
MAGAZINE
特集:破壊王マスク
特集:破壊王マスク
2025年3月 4日号(2/26発売)

「政府効率化省」トップとして米政府機関に大ナタ。イーロン・マスクは救世主か、破壊神か

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 2
    イーロン・マスクへの反発から、DOGEで働く匿名の天才技術者たちの身元を暴露する「Doxxing」が始まった
  • 3
    イーロン・マスクのDOGEからグーグルやアマゾン出身のテック人材が流出、連名で抗議の辞職
  • 4
    「絶対に太る!」7つの食事習慣、 なぜダイエットに…
  • 5
    米ロ連携の「ゼレンスキーおろし」をウクライナ議会…
  • 6
    細胞を若返らせるカギが発見される...日本の研究チー…
  • 7
    ボブ・ディランは不潔で嫌な奴、シャラメの演技は笑…
  • 8
    日本の大学「中国人急増」の、日本人が知らない深刻…
  • 9
    【クイズ】アメリカで2番目に「人口が多い」都市はど…
  • 10
    「売れる車がない」日産は鴻海の傘下に? ホンダも今…
  • 1
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 2
    細胞を若返らせるカギが発見される...日本の研究チームが発表【最新研究】
  • 3
    障がいで歩けない子犬が、補助具で「初めて歩く」映像...嬉しそうな姿に感動する人が続出
  • 4
    富裕層を知り尽くした辞めゴールドマンが「避けたほ…
  • 5
    イーロン・マスクへの反発から、DOGEで働く匿名の天…
  • 6
    イーロン・マスクのDOGEからグーグルやアマゾン出身…
  • 7
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 8
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 9
    「絶対に太る!」7つの食事習慣、 なぜダイエットに…
  • 10
    東京の男子高校生と地方の女子の間のとてつもない教…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」…
  • 5
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 6
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 7
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 8
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 9
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 10
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中