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米最高裁判事候補が過去に性的暴行か、被害者と上院で証言へ
9月17日、トランプ米大統領が連邦最高裁判事に指名したブレット・カバノー氏(写真)と、同氏から数十年前に性的暴行を受けたと主張するカリフォルニアの大学教授クリスティン・ブレイジー・フォード氏が、24日に上院で証言する予定だ。ワシントンで6日撮影(2018年 ロイター/Alex Wroblewski)
[ワシントン 17日 ロイター] - トランプ米大統領が連邦最高裁判事に指名したブレット・カバノー氏と、同氏から数十年前に性的暴行を受けたと主張するカリフォルニアの大学教授クリスティン・ブレイジー・フォード氏が、24日に上院で証言する予定だ。上院司法委員会のチャック・グラスリー委員長(共和党)が明らかにした。
委員長は「残念ながら民主党所属の委員は今回参加を拒否したが、十分な透明性を提供するため、われわれは次の月曜日(24日)に公聴会を開き、これらの最近の申し立てを完全に公表する」と述べた。
これにより、委員会で20日に予定されていた投票は延期される。
フォード氏によると、1982年、カバノー氏は酒に酔ってフォード氏を襲い、着衣を脱がせようとした。当時2人は首都ワシントン郊外のメリーランド州で別々の高校に通っていた。
カバノー氏は容疑を否認している。
トランプ氏が最高裁判事を指名するのは2人目。最高裁判事は終身制で、死去もしくは引退するまで地位が保障される。
ホワイトハウスは問題の迅速な解決に向けて動いているもようで、グラスリー委員長の発表前に「カバノー判事は公聴会で、誤った申し立てに対し身の潔白を証明したいと考えている。上院の準備が整えば、判事は明日にも証言する用意がある」とのコメントを公表した。
上院司法委員会に所属するリンジー・グラハム議員(共和党)は会見で、公聴会について「私は非常に公正な人間であり、フォード氏にもカバノー氏にも公正な態度で臨む。だが、カバノー氏の人生におけるただ1点だけに注目することはない」と述べた。
フォード氏の主張を信じることはできるか、そしてカバノー氏は最高裁判事にふさわしいかどうかとの質問には「誰かを暴行しようとしたとみなした人物を、最高裁判事に据えようとするのは困難だろう」と答えた。
すでにカバノー氏の氏名に強く反対していた民主党議員らは、委員会での投票は米連邦捜査局(FBI)の捜査を待つべきだと主張している。
FBIは17日、カバノー氏の容疑に関する7月付の書簡を前週12日に受け取り、大統領の法律顧問に転送したとする声明文を公表。申し立てられた容疑に「連邦犯罪の可能性は含まれない」と付け加えた。
共和党穏健派のスーザン・コリンズ上院議員は「カバノー判事が実際に起きたことについて嘘を付いていたなら、明らかに(最高裁判事の)資格はないだろう」と述べた。
カバノー氏の指名は、まず上院司法委員会で、その後は上院全体で承認される必要があり、フォード氏の主張は承認過程を複雑にする可能性がある。上院は共和党が僅差で多数派を占める。上院司法委員会は20日、指名承認決議を本会議にかけるべきか投票で決める予定だった。11月6日の中間選挙を数週間後に控える日程だ。
フォード氏の弁護士、デブラ・カッツ氏は17日の朝、一連のテレビインタビューに応じ、フォード氏が公の場で証言する姿勢であると明らかにした。米CBSテレビで、上院の公聴会で宣誓証言をすることも選択肢にあるかとの質問に対して「彼女は必要なことは実行する姿勢だ」と答えた。
上院司法委員会は11対10で共和党員がわずかに多い。上院でも51対49で共和党がわずかに過半数を占める。
カバノー氏が承認されなければ、トランプ氏は別の人物を指名することとなるが、中間選挙前に上院が承認する可能性は低い。上院は、選挙で共和党が過半数割れしたとしても、新たに指名された人物を2019年1月に開会する次の議会までには承認できる見込みだ。
*内容を追加しました。