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北海道で震度7の地震、死者7人 大規模停電で経済に打撃
9月6日、気象庁によると、午前3時08分ごろ、北海道胆振地方中東部を震源とする地震があり、安平町で震度6強の揺れを観測した。震源の深さは37キロ、地震の規模はマグニチュード6.7。津波の心配はないという。写真は菅官房長官。2017年7月撮影(2018年 ロイター/Toru Hanai)
[東京 6日 ロイター] - 北海道で6日未明に発生した地震は、震源地近くの厚真町で最大震度7を観測。大規模な土砂崩れや家屋倒壊を引き起こし、政府はこれまでに7人の死亡を確認した。北海道全域で続いた停電は午後になり一部が解消しつつあるものの、復旧にはなお時間がかかる見通しだ。
地震は午前3時08分ごろに発生。震源は胆振地方中東部で、震度7を観測した厚真町や、震度6弱のむかわ町では大規模な土砂崩れや家屋倒壊などが発生し、被害が集中した。気象庁によると、震度7を観測するのは2016年の熊本地震以来となる。
<大規模停電が発生>
停電の影響は一時295万戸に及んだ。1995年に起きた阪神淡路大震災の260万戸を上回る規模で、広い範囲で社会・経済活動に影響が出ている。
北海道電力<9509.T>は同日午後に砂川火力発電所での発電を再開し、旭川市、札幌市やその周辺で電力供給が始まった。ただ、4基の水力発電と砂川の計55万キロワットは、道内全体の電力需要の約15%にとどまる。
世耕弘成経済産業相は、道内全域での復旧には1週間以上かかるとの見通しを示している。
北海道電力では、主力発電所である苫東厚真火力発電所で、タービン火災の発生やボイラーの損傷が判明している。
一方、北海道電力泊原発では一時、外部電力が喪失。非常用電源で使用済み核燃料プールの冷却を継続した。その後、外部電力を回復し、プールの冷却に支障がなくなった。
<停電で企業・金融機関・交通に影響>
停電の影響で、道内の主要な工場で生産を停止した企業も多い。サッポロホールディングス<2501.T>によると、サッポロビール北海道工場に建物の被害はなく人的被害もないが、停電のため製造ラインを停止し、復旧の見通しも未定としている。
金融機関にも影響が出ている。北海道銀行は、予備電源を利用できる本店と27支店は営業しているが、その他の113支店は営業できずにいると発表した。予備電源が使用できる一部のATMは利用可能だが、その他のATMは利用できなかった。
東京証券取引所は、地震と停電に伴って、朝方から一時停止していた札幌証券取引所での全銘柄の売買について、終日停止した。明日以降の予定は現時点で未定としている。
交通機関への被害も多い。新千歳空港はターミナルビルの被害で終日閉鎖される。JR北海道や札幌市内の地下鉄をはじめ道内の全鉄道が運行を停止した。
安倍晋三首相は同日朝、人命第一で政府一丸となって災害対応に当たると強調。自衛隊を2万5000人体制で北海道に派遣すると述べた。
政府は首相官邸内の危機管理センターに官邸対策室を設置。合わせて同日朝から関係閣僚会議も開催し、安否不明者の捜索や被害対応に当たった。
(田巻一彦 編集:田中志保)