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WTO事務局長、米の鉄鋼・アルミ関税による報復リスクを警告
3月12日、世界貿易機関(WTO)のアゼベド事務局長(写真)は、鉄鋼・アルミニウム製品に輸入関税を課すトランプ米大統領の決定は、他の国からの報復措置につながり、想定外の結果を招く可能性があると警告した。ブラジリアで会見する同事務局長(2018年 ロイター/Ueslei Marcelino)
[ブラジリア 12日 ロイター] - 世界貿易機関(WTO)のアゼベド事務局長は12日、鉄鋼・アルミニウム製品に輸入関税を課すトランプ米大統領の決定は、他の国からの報復措置につながり、想定外の結果を招く可能性があると警告した。ブラジルでテメル大統領との会談後、記者団に語った。
ブラジル政府はすでに、トランプ政権が新たに課す輸入関税の適用除外を申請する方針を表明している。ブラジルは米国への鉄鋼供給がカナダに次いで第2位。
アゼベド事務局長は「報復行動はときに、誰の利益にもならない貿易戦争を招く可能性がある」と指摘。複数国が二国間のアプローチを取るよりも多国間でのアプローチが望ましいとの考えを示した。
事務局長は、ブラジルは米国の関税に対抗する代替案を検討中だとし、米国と合意するための対話の道を残しつつ、他の国と対策を協議していると語った。
また、ブラジルがWTOの紛争解決メカニズムに申し立てを行うかどうかは分からないが、ブラジルはその可能性を排除していないと明らかにした。
ブラジルのメイレレス財務相は12日、ブラジル政府は米国の関税への対応をまだ決定していないとし、米国が交渉で何を要求するかを見極める必要があると述べた。