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米艦フィッツジェラルド、衝突前にコンテナ船がライトで警告
6月26日、伊豆半島沖で米海軍のイージス駆逐艦と衝突したコンテナ船の船長が、船主に提出した報告書の内容が明らかになった。写真はイージス艦「フィッツジェラルド」。横須賀で6月撮影(2017年 ロイター/Toru Hanai)
[東京 26日 ロイター] - 伊豆半島沖で米海軍のイージス駆逐艦と衝突したコンテナ船の船長が、船主に提出した報告書の内容が明らかになった。コンテナ船は左舷にイージス艦を見つけ、ライトを点滅して注意喚起したものの、米艦は針路を維持。コンテナ船は右に回避しようとしたが、間に合わなかった。
報告書によると、フィリピン船籍のコンテナ船「ACXクリスタル」は時速18ノット(約33キロ)で東京湾へ向けて航行。17日午前1時15分、見張り2人が左舷40度の3カイリ(約5.6キロ)離れたところにイージス艦「フィッツジェラルド」がいるのを発見した。
その5分後、イージス艦が「突然」動き、そのままの針路では衝突しそうに見えたことから、コンテナ船は手動で操舵しながら、注意を引くためライトを点滅させた。米艦は針路を維持したままのように見えたという。コンテナ船は右へ一気に舵を切ったが、午前1時30分、両船は衝突した。
今回の衝突事故ではイージス艦の乗員7人が死亡。米海軍にとって、2000年にイエメンで起きたイージス艦爆破事件以来の惨劇となった。フィッツジェラルドの艦長は自室で負傷しており、衝突前に警報が鳴っていなかった可能性を示唆している。
ACXクリスタルの船主、大日インベスト(兵庫県神戸市)はロイターの取材に対し、「捜査状況にかかわることは回答できない」とした。事故原因を調査している米海軍、米沿岸警備隊、海上保安庁もコメントを控えた。
(ティム・ケリー 取材協力:久保信博※)