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昨年のブラジルGDP、過去25年で最大の落ち込み

3月3日、ブラジル地理統計院(IBGE)が発表した2015年の国内総生産(GDP)は3.8%減少し、1990年以来最大の落ち込みとなった。写真は2014年5月、ブラジリアで(2016年 ロイター/Ueslei Marcelio)
[ブラジリア 3日 ロイター] - ブラジル地理統計院(IBGE)が発表した2015年の国内総生産(GDP)は3.8%減少し、1990年以来最大の落ち込みとなった。
企業が設備投資を縮小し150万人超を削減する中、2016年も3.45%のマイナス成長が見込まれている。2年連続でこれほど大幅な落ち込みが続けば、統計を開始した1901年以降で最も長く、深刻なリセッション(景気後退)となる。
ブラジルは過去最悪とされる景気後退に陥る中でも、インフレ率が高止まりし、中銀は利上げを余儀なくされている。これに商品(コモディティ)市況の悪化や汚職スキャンダルが追い討ちをかけているほか、昨年終盤には深刻な被害をもたらした鉱山ダム決壊や石油業界では20年ぶりの大規模なストライキが発生した。
かつては世界で第7位の規模を誇ったブラジル経済だが、これで成長率は20カ国・地域(G20)内で最低となった。
野村の中南米担当エコノミスト、ホア・ペドロ・リベイロ氏は「今年も同程度のマイナスとなるだろう。成長エンジンはまだ見えない。輸出が唯一期待できる分野だが、ブラジル経済は比較的閉ざされており、この苦境から脱するには不十分だ」と話した。
第4・四半期のGDPは前四半期比では1.4%減、前年同期比では5.9%減だった。市場予想はそれぞれ1.5%、6%の減少だった。
第4・四半期GDPの内訳では、農業が唯一の明るい材料で、前四半期比2.9%増加した。工業、サービスはいずれも1.4%減少した。
家計消費は1.3%減と、4四半期連続のマイナスだった。投資も4.9%落ち込んだ。政府支出も2.9%減と、四半期としては2008年末以来の大幅な減少ペースとなった。