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南シナ海の中国「領海」内に米艦派遣、王外相は自制求める
10月26日、米国防当局者は、米海軍のミサイル駆逐艦「ラッセン」(写真)が、南シナ海で中国が造成した人工島から12カイリ(約22キロ)の境界に接近しており、12カイリ内に数時間とどまる見通しだと明らかにした。提供写真(2015年 ロイター/U.S. Navy/Mass Communication Specialist 1st Class Martin Wright/Handout via Reuters)
[東京/ワシントン 27日 ロイター] - 米国防当局者は米国時間26日、米海軍のミサイル駆逐艦「ラッセン」を、南シナ海で中国が造成した人工島から12カイリ(約22キロ)の境界内へ派遣したことを明らかにした。
中国は人工島から12カイリの海域を領海と主張している。
ラッセンは現地時間27日早く、スプラトリー諸島のスビ礁とミスチーフ礁付近を航行。これらの岩礁は、中国が2014年に大規模な埋め立てプロジェクトを始める前までは満潮時に海面下に沈んでいた。
米国防当局者はロイターに対し、「オペレーションが始まった。数時間以内に完了するだろう」と述べた。
また別の当局者は今回の米駆逐艦派遣について、世界で最も交通量の多い海域の1つにおける中国の領有権主張に対する挑戦の始まりにすぎないと語った。
この当局者はこれより前に、同海域で定期的に監視活動を行っている米海軍のP8A哨戒機1機に加え、P3哨戒機1機が駆逐艦に同行する可能性があると述べていた。
人工島から12カイリ以内を「領海」と中国が主張する海域への米艦派遣は、中国の領有権主張に対する米国の最も重大な挑戦を意味しており、中国の怒りを買うことは必至とみられている。
中国の王毅外相は、米艦が12カイリ以内に進入したか確認中だとし、「もし本当なら、われわれは米国に対し再考を促し、やみくもに行動したり、何もないところから問題を起こさないよう求める」と述べた。
ワシントンの中国大使館は26日、南シナ海で中国が「領海」と主張する人工島12カイリ内に米軍が駆逐艦の派遣を計画していることについて、航行の自由を力の誇示の言い訳にすべきでないと批判していた。
中国大使館の報道官は「米国は挑発的な言動を一切控え、地域の平和と安定を維持するため責任ある行動を取るべきだ」と主張した。
さらに「航行や上空通過の自由を言い訳に力を誇示し、他国の主権や安全を脅かすべきでない」と批判した。
前述の2人目の米当局者によると、向こう数週間以内にさらなるパトロールが行われる見通しで、スプラトリー諸島でベトナムとフィリピンが領有を主張する海域付近でも実施する可能性があるという。
*内容を追加して再送します。