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中国不動産開発の碧桂園、ドル建て債2本の利払いできず

8月8日 中国の不動産開発大手、碧桂園は8日、今月6日が期日だったドル建て債2本の利払い(総額2250万ドル)を履行できなかったと表明した。写真は碧桂園のロゴで、2018年3月に香港で撮影(2023年 ロイター/Bobby Yip)
[香港 8日 ロイター] - 中国の不動産開発大手、碧桂園は8日、今月6日が期日だったドル建て債2本の利払い(総額2250万ドル)を履行できなかったと表明した。
投資家によると、利払いが行われなかったのは2026年2月満期債と30年8月満期債。いずれも30日間の猶予期間がある。
碧桂園はロイターに、利用可能な現金の減少が続いていると表明。販売環境や借り換え環境の悪化に加え、さまざまな資本規制の影響で「定期的に流動性に圧力」がかかっていると文書で説明した。
債権者の法的権利を守るため、資本の取り決めを改善しているとも述べた。不動産業界が「前例のない困難」に直面する中で、住宅の引き渡しと債務返済に取り組んでいると強調した。
2022年末時点の債務は1兆4000億元(1940億ドル)。
碧桂園は、今年の販売額が3位の大手だが、この数週間、流動性懸念が再燃し株・債券が売られている。
碧桂園の香港上場株は14.4%下落し、1日の下げ幅としては昨年12月以来の大きさとなった。デュレーション・ファイナンスによると、同社のドル建て債券の大半は1ドルの額面に対し0.1ドル以下に下落した。オンショア債の一つは28.6%急落し取引停止となった。
クレジットサイトのアナリスト、ニコラス・チェン氏は「(碧桂園が)債券の元本の全額償還ではなく、利払いに苦慮しているという事実は、おそらく流動性が非常に逼迫していることを示している」と指摘した。
「(碧桂園の)規模を踏まえると、こうした事態は不動産セクター全体に悪影響を及ぼし、特にまだ存続している他の民間デベロッパーに対する投資家心理に悪影響を及ぼすと思われる」と語った。
同社は9月に58億元の社債が満期となるほか、4800万元の利払いを行う必要がある。海外では30億香港ドル(3億8420万ドル)の転換社債が12月に、10億ドルの社債が1月にそれぞれ満期を迎える。
同社は先週、3億ドルの増資について、実施の最終合意に至らなかったとして、直前で中止した。また、1─6月の純損益(未監査)が赤字に転落すると警告。前年同期は19億1000万元(2億6731万ドル)の黒字だった。