ニュース速報

ビジネス

7月ロイター企業調査:6割が年内値上げ、来年は4割 人件費も要因に

2023年07月20日(木)10時04分

 7月20日、7月のロイター企業調査で値上げについて聞いたところ、これまでの実施分でコスト上昇をほぼ相殺できているとの回答は3割にとどまり、6割が年内、4割が来年の価格転嫁を計画していることが分かった。東京都内で2016年撮影(2023年 ロイター/Thomas Peter)

[東京 20日 ロイター] - 7月のロイター企業調査で値上げについて聞いたところ、これまでの実施分でコスト上昇をほぼ相殺できているとの回答は3割にとどまり、6割が年内、4割が来年の価格転嫁を計画していることが分かった。値上げの動きはまだ続きそうで、原材料やエネルギーに加え、人件費の上昇が大きなコスト要因になりつつある。

調査は7月5日─14日。調査票発送企業は504社、回答社数は255社だった。

コスト上昇分をこれまでの値上げでカバーできているかどうか、「ほぼできている」と回答した企業は29%だった。「5割程度」が33%、「3割程度」が21%、「できていない」が17%で、3分の2はまだ価格転嫁が不十分な状況であることが見て取れる。「カバーできていない」との回答は、建設・不動産、サービスなど非製造業に多かった。

今後の値上げについては、年内に予定していると回答した企業は6割、来年検討していると答えた企業は4割だった。値上げする理由として最も多かったのは「原材料費の上昇」で79%だったが、観光や外食などサービス業を中心に人手不足が深刻化する中、人件費と答えた企業も60%にのぼった。

取り扱う荷物が増える一方、時間外労働の上限が規制され運転手不足がさらに深刻化する、いわゆる物流の「2024年問題」に伴う人手確保として「物流費」(ゴム)の上昇を値上げの理由に挙げる企業もみられた。

一方、原材料など輸入物価を押し上げる要因だった為替の円安は、6月末につけた1ドル=145円07銭をピークに円高方向へと傾いている。年内の為替水準見通しを各社に聞いたところ、最も多かった回答は「1ドル=140円」で59%。次いで「1ドル=135円」との答えが25%だった。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:アフリカのコロナ犠牲者17万人超、予想を

ワールド

米上院、つなぎ予算案可決 政府機関閉鎖ぎりぎりで回

ワールド

プーチン氏「クルスク州のウクライナ兵の命を保証」、

ビジネス

米国株式市場=急反発、割安銘柄に買い 今週は関税政
MAGAZINE
特集:日本人が知らない 世界の考古学ニュース33
特集:日本人が知らない 世界の考古学ニュース33
2025年3月18日号(3/11発売)

3Dマッピング、レーダー探査......新しい技術が人類の深部を見せてくれる時代が来た

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「若者は使えない」「社会人はムリ」...アメリカでZ世代の採用を見送る会社が続出する理由
  • 2
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦している市場」とは
  • 3
    【クイズ】ウランよりも安全...次世代原子炉に期待の「トリウム」埋蔵量が最も多い国は?
  • 4
    【クイズ】世界で1番「石油」の消費量が多い国はどこ…
  • 5
    中国中部で5000年前の「初期の君主」の墓を発見...先…
  • 6
    自分を追い抜いた選手の頭を「バトンで殴打」...起訴…
  • 7
    白米のほうが玄米よりも健康的だった...「毒素」と「…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「天然ガス」の産出量が多い国は…
  • 9
    「紀元60年頃の夫婦の暮らし」すらありありと...最新…
  • 10
    SF映画みたいだけど「大迷惑」...スペースXの宇宙船…
  • 1
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦している市場」とは
  • 2
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやステータスではなく「負債」?
  • 3
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は中国、2位はメキシコ、意外な3位は?
  • 4
    「若者は使えない」「社会人はムリ」...アメリカでZ…
  • 5
    メーガン妃が「菓子袋を詰め替える」衝撃映像が話題…
  • 6
    白米のほうが玄米よりも健康的だった...「毒素」と「…
  • 7
    うなり声をあげ、牙をむいて威嚇する犬...その「相手…
  • 8
    「これがロシア人への復讐だ...」ウクライナ軍がHIMA…
  • 9
    【クイズ】ウランよりも安全...次世代原子炉に期待の…
  • 10
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」…
  • 1
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 4
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 5
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 6
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 7
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 8
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 9
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 10
    「若者は使えない」「社会人はムリ」...アメリカでZ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中