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エーザイの認知症薬、米以外でも承認の可能性

7月7日、米食品医薬品局(FDA)が6日、エーザイと米バイオジェンが開発したアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」(米国名レケンビ)を承認したことを受け、深刻な副作用の可能性を巡る同様の懸念を共有しながらも、米以外の国・地域の規制当局が追随することになる――ウォール街のアナリストの間でこうした見方が出ている。写真はレカネマブ。提供写真(2023年 ロイター/Eisai)
[7日 ロイター] - 米食品医薬品局(FDA)が6日、エーザイと米バイオジェンが開発したアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」(米国名レケンビ)を承認したことを受け、深刻な副作用の可能性を巡る同様の懸念を共有しながらも、米以外の国・地域の規制当局が追随することになる――ウォール街のアナリストの間でこうした見方が出ている。
FDAはレケンビを正式承認したが、同薬のラベルに安全性に関して最も強い「枠付き」の警告を付記し、同薬と類似薬について危険な脳浮腫のリスクに注意を喚起した。
エーザイとバイオジェンは米以外ではレケンビの承認を、日本や欧州連合(EU)、中国、カナダ、英国、韓国で求めている。承認の是非について日本では9月末までに、欧州では年内にそれぞれ判断が下される見通し。
アナリストらの見立てでは、欧州でも最終的には同薬が承認されるとしても、簡単な話では済まなそうだ。
ウィリアム・ブレアのアナリスト、マイルス・ミンター氏は、欧州医薬品庁(EMA)はFDAよりも保守的な傾向があると指摘。そのため投資家は、EMAの決定に先立って行われるEMAの外部の専門家からなる諮問委員会の同薬の安全性に関する見解に注目するだろうと述べた。
ミンター氏はそれでもEMAはFDAに続いて、年内ないし来年初めにレケンビを承認すると見込んでいる。BMOキャピタル・マーケッツのアナリスト、エバン・シーガーマン氏は、欧州での承認は想定しつつも、その時期は不透明とみなす。
一方、ニーダムのアナリスト、アミ・ファディア氏は、欧州が追随すると解釈するのは難しいとし、「EMAとFDAが必ずしも相手のやり方を踏襲するとは限らない」とくぎを刺した。
FDAの承認と警告を受け、大半のアナリストは同薬のピーク時の売上高見通しを据え置いた。一部のアナリストの見通しはエーザイが予想している2030年までに70億ドルという数字を上回っている。 最低は2034年時点で約50億ドルとしたカナコード・ジェニュイティ、最高は30年までに140億ドル強としたBMOキャピタル・マーケッツ。