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米国など主要国、根本的に低金利環境=NY連銀総裁

米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は19日、新型コロナウイルスによるパンデミック(世界で気大流行)とそれに起因するインフレ急伸の影響にもかかわらず、米国と他の主要国は依然として根本的に低金利環境にあるとの認識を示した。2019年11月撮影(2023年 ロイター/Carlo Allegri/)
[ニューヨーク 19日 ロイター] - 米ニューヨーク(NY)連銀のウィリアムズ総裁は19日、新型コロナウイルスによるパンデミックとそれに起因するインフレ急伸の影響にもかかわらず、米国と他の主要国は依然として根本的に低金利環境にあるとの認識を示した。
ウィリアムズ総裁は連邦準備理事会(FRB)がワシントンで開催した会議で、パンデミックとその最も急性は余波を踏まえても、自然利子率(Rスター)が低水準にあるという基本的なシナリオは変わらないと指摘。「自然利子率が極めて低い時代が終わったという証拠はないということが重要だ」と述べた。
同総裁は「Rスターの推計値は2023年第1・四半期に約0.5%となり、その後、ゼロをわずかに下回るまで低下する」と述べた。パンデミック前のRスター推計値は大抵0.5%前後で推移していた。
NY連銀は19日、パンデミックの影響で20年後半に停止していたRスター推計値の公表を再開。それによると、22年第4・四半期は1.16%で、前年同期の1.81%から低下した。
Rスターを現実の金利に置き換えるには、この変数をFRBの2%インフレ目標に加算することになる。ウィリアムズ氏の現在の推計ではRスターは0─0.5%で推移しており、現在のフェデラルファンド(FF)金利誘導目標(5.00─5.25%)はかなりの制約的な領域に設定されている形だ。
ウィリアムズ総裁は経済や金融政策の見通しについて直接コメントしなかった。ただ今回の発言で、FRBがインフレ対応を終えた後、短期金利が将来的に再び低水準に戻される可能性があることが示唆された。
●とはいえ、同総裁は自身のRスター推計値とFRB金融政策見通しを結びつけようとする動きに抵抗。この推計値に基づいて「金融政策が何をすべきか、何をすべきでないかについて意見を述べるつもりはない」と述べた。