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米ADP民間雇用、4月29.6万人増 予想上回る 賃金の伸びは鈍化

企業向け給与計算サービスのオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)が3日発表した4月の全米雇用報告によると、民間部門雇用者数は29万6000人増加し、ロイターがまとめたエコノミストの予想(14万8000人増)を大幅に上回った。ケンタッキー州で2021年4月撮影(2023年 ロイター/Amira Karaoud)
[ワシントン 3日 ロイター] - 企業向け給与計算サービスのオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)が3日発表した4月の全米雇用報告によると、民間部門雇用者数は29万6000人増加し、ロイターがまとめたエコノミストの予想(14万8000人増)を大幅に上回った。
一方、賃金の伸びは鈍化し、米連邦準備理事会(FRB)にとっては朗報となる可能性がある。
3月の民間雇用者数は14万5000人増から14万2000人増に下方改定された。
4月は財の生産部門が6万7000人増。その大半が天然資源、鉱業、建設だった。一方、製造業は3万8000人減だった。
サービス部門は22万9000人増。レジャー・サービスが15万4000人増加し伸びを主導した。教育・医療サービスも6万9000人増だった。半面、金融は2万8000人減、専門・ビジネスサービスは1万6000人減。
ハイ・フリークエンシー・エコノミクスの米チーフエコノミスト、ルビーラ・ファローキ氏は「雇用者数は足元プラスを維持すると予想する」としつつも、「金融政策の遅行効果と累積効果が経済により広く浸透するに従い、増加ペースは緩やかになる見込みだ」と述べた。
こうした中、賃金の伸びは鈍化した。4月の転職者の年間変化率中央値は13.2%と前月の14.2%から減速し、2021年11月以来の低い伸びとなった。
5日には政府の4月の雇用統計が発表される。ロイター調査によると、非農業部門雇用者数は17万9000人増と予想されている。
キャピタル・エコノミクスの北米チーフエコノミスト、ポール・アッシュワース氏は、ADPが非農業部門雇用者数の良好な先行指標でないことを踏まえ、「新規失業保険申請件数の増加および求人数の減少トレンドから、4月の雇用者数は18万人程度の控えめな増加にとどまるだろう」と述べた。