ニュース速報

ビジネス

米ブラックストーン、日本の物流6施設をシンガポールGICに売却

2023年04月28日(金)15時24分

 4月28日、米大手投資会社ブラックストーンは28日、日本の物流施設6棟で構成する投資資産を8億米ドル超(約1000億円超)でシンガポールの政府系ファンドGICに売却したと発表した。写真はニューヨークで1月撮影(2023年 ロイター/Jeenah Moon)

[東京 28日 ロイター] - 米大手投資会社ブラックストーンは28日、日本の物流施設6棟で構成する投資資産を8億米ドル超(約1000億円超)でシンガポールの政府系ファンドGICに売却したと発表した。

施設の面積は合計で400万平方フィート(約37万平方メートル)。ブラックストーンによると、物流施設の取引として日本で最大規模の案件のひとつになるという。

30年以上にわたり日本に投資してきたGICは、足元で取引を活発化させている。22年には西武ホールディングス からホテルとレジャーの資産を買収した。

今回の物件は、2020年7月に大和ハウス工業がブラックストーンに売却した4つを含む6施設。購入後にてこ入れし、90%未満だった稼働率は上昇、賃料も平均5%上昇した。賃料から管理費や固定資産税など実際に発生した費用のみを控除して求める純収益(NOI)の伸び率は、購入時に比べて35%になったという。

ブラックストーン・グループ・ジャパン代表取締役・不動産部門代表の橘田大輔氏はロイターに対し「不動産マーケットを見た時に、オフィスは厳しいが、物流、データセンター、ホテルは非常に強い成長率となっている」と述べた。ブラックストーンが世界で手掛ける不動産投資のうち、40%以上を物流施設が占めるという。

同社は日本で昨年11月にも物流施設を売却。橘田氏は「この環境下で、半年の間に総額15億ドル、2000億円程度の物流施設を売却し、リターンを出せた」と述べ、「セクターをしっかり見極めて、投資、さらにアセットマネジメント、売却するというのが非常に大事だということが、この案件で投資家やマーケットに分かってもらえる」と語った。

ブラックストーンの不動産部門は世界で3320億ドルの資金を運用している。

(清水律子)

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米・イスラエル、ガザ住民受け入れ巡りアフリカ3カ国

ビジネス

三菱UFJ銀、ジャックスの持ち株比率4割に 約39

ビジネス

アングル:「官僚主義」が阻む景気回復、ドイツ企業が

ワールド

中国・イラン・ロシア、北京で次官級会合 イラン核問
MAGAZINE
特集:日本人が知らない 世界の考古学ニュース33
特集:日本人が知らない 世界の考古学ニュース33
2025年3月18日号(3/11発売)

3Dマッピング、レーダー探査......新しい技術が人類の深部を見せてくれる時代が来た

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦している市場」とは
  • 2
    「若者は使えない」「社会人はムリ」...アメリカでZ世代の採用を見送る会社が続出する理由
  • 3
    【クイズ】世界で1番「石油」の消費量が多い国はどこ?
  • 4
    【クイズ】ウランよりも安全...次世代原子炉に期待の…
  • 5
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 6
    白米のほうが玄米よりも健康的だった...「毒素」と「…
  • 7
    SF映画みたいだけど「大迷惑」...スペースXの宇宙船…
  • 8
    「紀元60年頃の夫婦の暮らし」すらありありと...最新…
  • 9
    113年間、科学者とネコ好きを悩ませた「茶トラ猫の謎…
  • 10
    うなり声をあげ、牙をむいて威嚇する犬...その「相手…
  • 1
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやステータスではなく「負債」?
  • 2
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦している市場」とは
  • 3
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は中国、2位はメキシコ、意外な3位は?
  • 4
    メーガン妃が「菓子袋を詰め替える」衝撃映像が話題…
  • 5
    白米のほうが玄米よりも健康的だった...「毒素」と「…
  • 6
    うなり声をあげ、牙をむいて威嚇する犬...その「相手…
  • 7
    「これがロシア人への復讐だ...」ウクライナ軍がHIMA…
  • 8
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」…
  • 9
    【クイズ】ウランよりも安全...次世代原子炉に期待の…
  • 10
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアで…
  • 1
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 4
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 5
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 6
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 7
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 8
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 9
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 10
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中