ニュース速報

ビジネス

企業向けサービス価格、3月は前年比1.6%上昇 旅行需要回復で

2023年04月25日(火)10時05分

 日銀が4月25日公表した3月の企業向けサービス価格指数速報は前年比1.6%上昇、前月比0.7%上昇となった。2010年8月、都内で撮影(2023年 ロイター/Yuriko Nakao)

[東京 25日 ロイター] - 日銀が25日公表した3月の企業向けサービス価格指数は108.3と、前年比1.6%上昇した。指数は2000年11月(108.5)以来の高水準。旅行需要の回復で「宿泊サービス」が大きく伸びた。22年度は前年度比1.8%上昇し、伸びは14年度(3.3%)以来の大きさとなった。

単月の前年比での上昇は25カ月連続。日銀の担当者によると、観光需要喚起策「全国旅行支援」の割引の影響を除くと前年比1.7%上昇になるという。

指数の押し上げに最も寄与したのは「諸サービス」で、「宿泊サービス」が前年比32.4%上昇した。春休み需要やインバウンド需要が回復し、プラス幅が拡大した。「土木建築サービス」では、国土交通省が発注する公共工事の設計業務委託等の積算に用いる技術者単価が上昇した。

このほか「リース・レンタル」、「運輸・郵便」、「不動産」、「金融・保険」なども指数の押し上げ要因となった。「運輸・郵便」では、感染症の影響が緩和したことで「国内航空旅客輸送」の需要が回復。「道路貨物輸送」は、燃料費の上昇やドライバー不足で値上がりした。

公表している146品目のうち、前年比で上昇したのは94品目、下落したのは23品目。

22年度の指数は107.4と、00年度(108.6)以来の高水準。伸び率は21年度の1.2%から拡大した。消費税の影響を除くと91年度(2.8%)以来の伸び。

最も押し上げに効いたのは「諸サービス」で、「宿泊サービス」が旅行需要の回復を受けて上昇。「土木建築サービス」や「労働者派遣サービス」、清掃や衛生管理などが含まれる「建物サービス」などで人件費上昇の影響かあった。「機械修理」、「自動車整備」、「洗濯」では、資材価格や光熱費上昇の影響が主因ながら、一部で人件費上昇の影響もあったという。

(杉山健太郎 編集:田中志保)

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ウクライナ、中国企業3社を制裁リストに追加

ワールド

トランプ米大統領の優先事項「はっきりしてきた」=赤

ワールド

イスラエル、ガザで40カ所空爆 少なくとも30人死

ワールド

米がウクライナ和平仲介断念も 国務長官指摘 数日で
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 2
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判もなく中米の監禁センターに送られ、間違いとわかっても帰還は望めない
  • 3
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇した「透けレギンス」投稿にネット騒然
  • 4
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はど…
  • 5
    米経済への悪影響も大きい「トランプ関税」...なぜ、…
  • 6
    紅茶をこよなく愛するイギリス人の僕がティーバッグ…
  • 7
    トランプ関税 90日後の世界──不透明な中でも見えてき…
  • 8
    ノーベル賞作家のハン・ガン氏が3回読んだ美学者の…
  • 9
    今のアメリカは「文革期の中国」と同じ...中国人すら…
  • 10
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 1
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止するための戦い...膨れ上がった「腐敗」の実態
  • 3
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 6
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 7
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気では…
  • 8
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトラ…
  • 9
    動揺を見せない習近平...貿易戦争の準備ができている…
  • 10
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 8
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中