ニュース速報

ビジネス

英賃金が予想上回る伸び、5月利上げ観測 雇用過熱調整の兆しも

2023年04月18日(火)19時56分

 4月18日 英国立統計局(ONS)が18日発表した2022年12月─23年2月の賃金はボーナスを除いたベースで前年比6.6%増加し、ロイターがまとめたエコノミストの予想(6.2%増)を上回った。写真は2017年1月、ロンドン市内で撮影(2023年 ロイター/Eddie Keogh)

[ロンドン 18日 ロイター] - 英国の最新の統計で失業率が予想外に上昇する一方、賃金は予想以上の伸びを記録した。イングランド銀行(英中央銀行)はインフレ要因として賃金に注目しており、追加利上げ観測が強まっている。

英国立統計局(ONS)が18日発表した2022年12月─23年2月の失業率は3.8%。3.7%で横ばいとの市場予想に反して上昇し、2022年第2・四半期以来の高水準となった。

賃金は前年比5.9%増加。ロイターがまとめたエコノミストの予想(5.1%増)を大きく上回った。22年11月─23年1月は5.9%増に上方改定された。

ボーナスを除いたベースでは前年比6.6%増加でエコノミストの予想(6.2%増)を上回った。22年11月─23年1月は6.6%増に上方改定された。

統計を受けてポンドと国債利回りは上昇。市場は5月の0.25%追加利上げの確率を80%以上織り込んだ。

INGのエコノミスト、ジェームズ・スミス氏は「5月の据え置きを予想していた向きには、この賃金の高い伸びは間違いなく衝撃だろう」と述べた。

しかし物価高が賃金の伸びを帳消しにする。実質では前年比4.1%の低下と2001年の統計開始以来、最大級の落ち込み。

ONS当局者は「賃金の伸びは依然、物価上昇に追いついておらず、実質所得は減っている。ただ官民の所得の伸び格差は縮小しつつある」と述べた。

英国の消費者物価上昇率は昨年10月に11.1%と40年あまりぶりの高水準を記録。2月も2桁だった。英中銀はエネルギー卸売り価格の低下でインフレ率は年末までに4%を下回ると予想する。

<雇用市場過熱に変化の兆し>

無職で求職活動もしていない人の割合である不就労率は0.4%ポイント低下し21.1%と22年3─5月以来の低水準。

求人件数は4万7000件減少し110万5000件。21年6─8月以降で最低となった。ただしパンデミック前を30万4000件上回った。

就職紹介会社インディードのエコノミスト、ジャック・ケネディ氏は労働市場が「沸騰状態が和らぐ」兆しが出ていると指摘した。

就業者数は22年12月─23年2月に16万9000人増加し、エコノミストの予想の3倍以上となったが、総就業者数はパンデミック前をやや下回った。

英雇用研究所(IES)のトニー・ウィルソン所長は「労働市場の進展は非常に鈍い。パンデミック開始から3年となり、他の主要国からの遅れがかつてないほど鮮明になっている」と述べた。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

インド、米相互関税27%の影響精査 アジア競合国よ

ビジネス

米人員削減、3月は60%急増 連邦職員解雇で=チャ

ワールド

訪米のロ特使、「関係改善阻む勢力存在」と指摘

ビジネス

イスラエルがシリア攻撃強化、暫定政権に警告 トルコ
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台になった遺跡で、映画そっくりの「聖杯」が発掘される
  • 2
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 5
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 6
    アメリカで「最古の銃」発見...いったい誰が何のため…
  • 7
    「最後の1杯」は何時までならOKか?...コーヒーと睡…
  • 8
    イラン領空近くで飛行を繰り返す米爆撃機...迫り来る…
  • 9
    博士課程の奨学金受給者の約4割が留学生、問題は日…
  • 10
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 5
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 6
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 7
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 8
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 9
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 10
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中