ニュース速報

ビジネス

ホンダ、30年に電動二輪350万台販売へ 40年代に温室効果ガス実質ゼロ

2022年09月13日(火)14時17分

 9月13日、ホンダは13日、2040年代に全ての二輪製品でカーボンニュートラルを実現することを目指すなどとした事業戦略を発表した。パリで2018年10月撮影(2022年 ロイター/Benoit Tessier)

[東京 13日 ロイター] - ホンダは13日、電動二輪車の販売について、2030年に世界販売の約15%に当たる350万台を計画すると発表した。25年までに世界で10車種以上を投入し、今後5年以内に電動二輪車の販売を100万台に増やす。40年代に全ての二輪車で温室効果ガス排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルの実現を目指す。

ホンダの電動二輪車販売は現在、約10万─20万台で推移しており、その大半が中国での販売となっている。今後は中国に加え、新興国や欧州などでも販売を拡大し、四輪に続き、二輪でも脱炭素化を推進する。 同社はこの日、本社で二輪事業説明会を開いた。竹内弘平副社長は「四輪とはまた違ったカーボンニュートラル実現の難しさがあるが、電動化を中心にカーボンニュートラル社会でも引き続き世界トップメーカーとしてのプレゼンスを維持する」と述べた。

24─25年にアジアや欧州、日本で個人向け電動二輪車2車種を販売し、日本や米国、欧州向けに大型の電動二輪車3車種を投入する。モーターで進むペダル付き二輪車「モペット」と電動自転車については、今年から24年までに中国に加えてアジア、欧州、日本で5車種を発売する予定。モペットと電動自転車は電動二輪車の世界市場(約5000万台)の9割以上を占めている。 電池やモーターなど主要部品を共通化した電動車用の車台も開発し、各車両に展開する。四輪用として研究中の次世代電池「全固体電池」の二輪への搭載も検討する。野村欣滋常務執行役員は、エネルギー密度の高い全固体電池は、車両サイズを大きくしにくい二輪との親和性が高く「有効な選択肢と考えており、導入を目指していく」と説明した。 ソフトウェア開発も進め、最適なルートや充電スポットの案内などを提供するサービスも24年に発売する電動二輪車で展開する予定。内燃機関車も引き続き進化させ、エタノールを活用した環境に優しい燃料などに対応したモデルの開発に取り組む。 ホンダの二輪事業は、営業利益率が22年3月期で14.3%と四輪事業の2.5%を大きく上回り、収益の柱となっている。ただ、電動化はコストがかさむ上、世界各国で脱炭素化に向けた規制が二輪でも進み、中国勢などによる電動車や電池販売の投入が相次いでおり、エンジンの耐久性など内燃機関で強みを誇ってきたホンダの地位が脅かされ、収益性が低下する恐れがある。 竹内副社長は電動化時代では「単純に物を売るだけでなく、電池だけの切り離し(によるビジネス)、コネクテッド情報を提供する」ことなどを併用することで二輪の収益性を担保していく、と語った。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

独コメルツ銀CEO、単独路線を志向 「独自の計画あ

ビジネス

ウニクレディトCEO、コメルツとの合併は株主価値高

ワールド

北朝鮮、10月に最高人民会議 憲法改正を議論へ

ビジネス

伊外相、中国製EV追加関税支持 中国商務相との会談
MAGAZINE
特集:ニュースが分かる ユダヤ超入門
特集:ニュースが分かる ユダヤ超入門
2024年9月17日/2024年9月24日号(9/10発売)

ユダヤ人とは何なのか? なぜ世界に離散したのか? 優秀な人材を輩出した理由は? ユダヤを知れば世界が分かる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウィリアムとヘンリーの間に「信頼はない」...近い将来の「和解は考えられない」と伝記作家が断言
  • 2
    キャサリン妃とメーガン妃の「ケープ」対決...最も優雅でドラマチックな瞬間に注目
  • 3
    ロシア空軍が誇るSu-30M戦闘機、黒海上空でウクライナ軍MANPADSの餌食になる瞬間の映像を公開
  • 4
    ケイティ・ペリーの「尻がまる見え」ドレスに批判殺…
  • 5
    【クイズ】自殺率が最も高い国は?
  • 6
    北朝鮮、泣き叫ぶ女子高生の悲嘆...残酷すぎる「緩慢…
  • 7
    エリザベス女王とフィリップ殿下の銅像が完成...「誰…
  • 8
    「もはや手に負えない」「こんなに早く成長するとは.…
  • 9
    広報戦略ミス?...霞んでしまったメーガン妃とヘンリ…
  • 10
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座…
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    「もはや手に負えない」「こんなに早く成長するとは...」と飼い主...住宅から巨大ニシキヘビ押収 驚愕のその姿とは?
  • 3
    【クイズ】自殺率が最も高い国は?
  • 4
    アメリカの住宅がどんどん小さくなる謎
  • 5
    北朝鮮、泣き叫ぶ女子高生の悲嘆...残酷すぎる「緩慢…
  • 6
    ロシア空軍が誇るSu-30M戦闘機、黒海上空でウクライ…
  • 7
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン…
  • 8
    「まるで別人」「ボンドの面影ゼロ」ダニエル・クレ…
  • 9
    キャサリン妃、化学療法終了も「まだ完全復帰はない…
  • 10
    33店舗が閉店、100店舗を割るヨーカドーの真相...い…
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    エリート会社員が1600万で買ったマレーシアのマンションは、10年後どうなった?「海外不動産」投資のリアル事情
  • 3
    ウクライナの越境攻撃で大混乱か...クルスク州でロシア軍が誤って「味方に爆撃」した決定的瞬間
  • 4
    電子レンジは「バクテリアの温床」...どう掃除すれば…
  • 5
    年収分布で分かる「自分の年収は高いのか、低いのか」
  • 6
    「棺桶みたい...」客室乗務員がフライト中に眠る「秘…
  • 7
    「まるで別人」「ボンドの面影ゼロ」ダニエル・クレ…
  • 8
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン…
  • 9
    ウクライナ軍のクルスク侵攻はロシアの罠か
  • 10
    「あの頃の思い出が詰まっている...」懐かしのマクド…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中