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気候変動リスクを分析、大手地銀規制厳格化も=バー米FRB副議長

バー米連邦準備理事会(FRB)副議長は7日、FRBが銀行の資本要件について「全体的な」見直しを行い、来年には金融機関の気候変動に関する財務リスクの分析を行う予定だと述べた。2017年6月撮影(2022年 ロイター/Joshua Roberts)
[ワシントン 7日 ロイター] - バー米連邦準備理事会(FRB)副議長は7日、FRBが銀行の資本要件について「全体的な」見直しを行っており、来年には金融機関の気候変動に関する財務リスクの分析を行う予定だと述べた。また、大手の地域金融機関に対してより厳しい規則を課す可能性があるとした。
バー氏が7月に金融規制担当副議長に就任して以来、公の場で発言するのはこれが初めて。
バー氏はワシントンのブルッキングス研究所で講演し、資本要件の見直しについて、金融システムの耐性をどのように支えているかを把握するために行っているとし、銀行の年次ストレステスト、補完レバレッジ比率、資本バッファーという3つの主要ツールの調整につながる可能性があると述べた。
金融機関が直面する長期的な気候関連リスクをより適切に評価するため、来年に試験的に「ミクロプルーデンス・シナリオ分析」を開始する計画も明らかにした。
また、FRBは合併・買収(M&A)によって近年に急成長した大手地域金融機関について、危機時にどの程度容易に清算できるかや政策変更の可能性を探っているという。
バー氏は国内の大手金融機関を監督する広範な権限を与えられており、業界関係者やアナリストは、同氏がどのような方針を打ち出すのかに注目していた。
民主党のバイデン大統領に指名されたバー氏は、共和党の前任者・クオールズ氏よりもウォール街に対して強硬な姿勢を取るともみられてきた。
バー氏は予期せぬ結果を最小限に抑え、過剰なコンプライアンスコストを回避するために尽力すると述べ、業界に安心感を与えようとした。
コーエン・ワシントン・リサーチ・グループのジャレット・シーバーグ氏はリポートで「バー氏は現実的で、銀行が協力できる人物という印象を与えた」と指摘。「だからといって資本やM&Aに関する制度が厳格化されないとは限らないが、予期せぬ結果を招くリスクが低いことを示唆している」と語った。
銀行株への投資家はバー氏の講演をうまくこなし、KBW地銀指数は講演後も上昇を続け、2%高で引けた。
JPモルガンとモルガン・スタンレーの株式を保有するアルビオン・ファイナンシャル・グループのジェイソン・ウェア最高投資責任者(CIO)は「規制強化の話はいつでも、利益にとってマイナスの材料になるが、まだ、詳細が明らかになっていない」と指摘した。