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為替は今のところ非常に快適な水準、安定推移が望ましい=日銀名古屋支店長

日銀の林新一郎・名古屋支店長は12日、支店長会議後にオンライン形式で行った会見で、東海地域の生産・輸出動向について、自動車などが増加基調にあるとの見方を示した。写真は2020年6月、名古屋駅前で撮影(2022年 時事通信)
[東京 12日 ロイター] - 日銀の林新一郎・名古屋支店長は12日、支店長会議後にオンライン形式で行った会見で、円安はプラスとマイナス両面の影響を考慮する必要があるとしつつ、足元の為替は「非常に快適な水準」にあるとの見解を示した。
林支店長は、円安について「円建ての輸入コストを押し上げる一方、輸出の金額や海外子会社の収益といったものを押し上げることになる」と指摘。自動車関連や機械関連が集積する東海経済への影響を考えた時、その両面を考える必要があると述べた。
その上で、為替は「おそらく今のところ非常に快適な水準だと思っている」とし、「いずれにしても(為替は)経済や金融のファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが望ましい」との見解を示した。
日銀は同日に公表した地域経済報告(さくらリポート)で、東海地域の生産・輸出動向についての判断を前回10月の「足踏み状態となっている」から「増加基調にある」に引き上げた。林支店長は自動車産業に関して、「東南アジアでは(コロナ)感染再拡大の影響で小規模な部品供給の問題が生じているが、大幅な減産には至っていない」と述べた。
会見に同席した冨田淳・福岡支店長は、東南アジアからの部品供給制約の問題は昨年9月頃をボトムに徐々に解消してきたが、半導体の不足は世界的な問題であり、「この1─3月も部品調達を巡る不確実性がなお根強く残る可能性がある」と指摘。生産面に与える影響を注視していくと語った。
(杉山健太郎 編集:内田慎一、田中志保)