ニュース速報

ビジネス

スエズ運河の座礁船が一部浮上、封鎖解消へ作業続く

2021年03月29日(月)19時26分

エジプトのスエズ運河庁(SCA)は29日、座礁し航路を塞いでいる大型コンテナ船「エバーギブン」が部分的に浮上したと明らかにした。写真は前日28日の衛星写真。提供写真(2021年 ロイター/Maxar Technologies)

[イスマイリヤ 29日 ロイター] - エジプトのスエズ運河庁(SCA)は29日、座礁し航路を塞いでいる大型コンテナ船「エバーギブン」が部分的に浮上したと明らかにした。水位が上昇したら引っ張り出す作業を再開するとしている。世界の海上輸送の要衝である同航路の航行が近く再開されるとの期待が高まった。

SCAによると、エバーギブンは運河の東岸にほぼ平行した状態になっている。

作業に当たっているサルベージ会社スミット・サルベージの親会社ボスカリスのペーテル・ベルドフスキ最高経営責任者(CEO)は、船首の下にある砂と泥を高圧水で除去する必要があるが、この作業が失敗に終われば、同船から積み荷のコンテナを降ろす必要が生じると説明していた

作業関係者は29日、ロイターに、船体を安定化させる作業を、潮の流れが良ければ積み荷を降ろす必要がないだろうと語った。

スエズ運河庁は、同船が運河の幅が広くなっている「グレート・レイクス」地区に向かえば、運河の通航が再開されるとの見通しを示した。

ソーシャルメディアに投稿された動画では、同船の船尾が回旋し、航路にスペースができている。他の動画では離礁したのを受けて歓声が上がり、船から汽笛が鳴り響いている。ロイターはこの動画が本物かを確認できていない。

スエズ運河庁によると、運河の通航再開を待っている船舶は少なくとも369隻に達している。

海運会社の一部は、輸送ルートを南アフリカの喜望峰周りに変更。この場合、日数は最大2週間長くなり、燃料費もかさむ。

海運大手マースクは、スエズ運河で足止めされている期間と変わらないとみて、15隻を喜望峰経由にさせたという。「現在の待機状況を踏まえると、待機船がすべて通過するには6日かそれ以上かかる可能性がある」と指摘した。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=続伸、堅調な経済指標受け ギャップが

ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、米景気好調で ビットコイン

ワールド

中国のハッカー、米国との衝突に備える=米サイバー当

ワールド

COP29、会期延長 途上国支援案で合意できず
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでいない」の証言...「不都合な真実」見てしまった軍人の運命
  • 4
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 5
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 6
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」…
  • 7
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 8
    プーチンはもう2週間行方不明!? クレムリン公式「動…
  • 9
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 10
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 3
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 4
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 5
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 8
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 9
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 10
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大き…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 10
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中