ニュース速報

ビジネス

中国の敬業集団、ブリティッシュ・スチール買収で暫定合意

2019年11月12日(火)05時32分

 11月11日、中国の敬業集団は、経営破綻した英国の鉄鋼メーカー、ブリティッシュ・スチールの買収に向け暫定合意した。写真はイングランド北部のスカンソープで5月撮影(2019年 ロイター/SCOTT HEPPELL)

[ロンドン/北京 11日 ロイター] - 中国の敬業集団は、経営破綻した英国の鉄鋼メーカー、ブリティッシュ・スチールの買収に向け暫定合意した。向こう10年間で12億ポンド(15億ドル)を投資するほか、数千人の雇用を守ると約束した。

最終的な合意はこれからだが、レッドソム・ビジネス相は最終合意できると楽観していると表明した。

敬業集団の李会長は、世界規模のグループ形成が目標とした上で、将来的に数千人の雇用を確保し、高技術・高品質の鉄鋼製品を生産していきたいと述べた。

買収規模については不明。英BBCは当初、敬業集団がブリティッシュ・スチールを7000万ポンド(9000万ドル)で買収すると報じていた。複数の関係筋によると、額は5000万ポンド相当とみられている。

ブリティッシュ・スチールは5月22日に経営破綻に追い込まれた。同社の社員は約5000人。さらに取引先に合計2万人の社員がいる。建設や鉄道網で利用される利益率の高い条鋼を生産している。

トルコの軍年金基金を運営する複合企業オヤックは今年8月、ブリティッシュ・スチールを買収することで暫定的な合意に達したと発表したが、この交渉も結局決着しないまま独占交渉期限を迎えた経緯がある。

英国では12月12日に総選挙が実施される予定で、合意が成立すれば、政治的に大きな得点になるとみられている。

ブリティッシュ・スチールが本社を置くイングランド北部の経済振興を目指す団体「ノーザン・パワーハウス・パートナシップ」の幹部は、今回の動きを「非常に歓迎すべきニュース」と評価。

中国は、習近平国家主席が提唱する現代版シルクロード構想「一帯一路」の下で海外投資を進めており、中国企業はセルビアの製鉄所も買収している。

中国による企業買収には警戒感も出ており、欧州連合(EU)は安価な中国製品の流入から域内の鉄鋼産業を守る方針を示している。

敬業集団は従業員2万3500人、登記資本390億元(55億8000万ドル)。中国の上位500社中217位となっている。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏「BRICS通貨つくるな」、対応次第で1

ワールド

ソフトバンクG、オープンAI出資で協議 評価額30

ビジネス

経営統合の可能性についての方向性、2月中旬までに発

ビジネス

鉱工業生産12月は0.3%上昇、予想と一致 電子部
MAGAZINE
特集:トランプ革命
特集:トランプ革命
2025年2月 4日号(1/28発売)

大統領令で前政権の政策を次々覆すトランプの「常識の革命」で世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 4
    今も続いている中国「一帯一路2.0」に、途上国が失望…
  • 5
    東京23区内でも所得格差と学力格差の相関関係は明らか
  • 6
    ピークアウトする中国経済...「借金取り」に転じた「…
  • 7
    「やっぱりかわいい」10年ぶり復帰のキャメロン・デ…
  • 8
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? …
  • 9
    空港で「もう一人の自分」が目の前を歩いている? …
  • 10
    フジテレビ局員の「公益通報」だったのか...スポーツ…
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 3
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果が異なる【最新研究】
  • 4
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 5
    緑茶が「脳の健康」を守る可能性【最新研究】
  • 6
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? …
  • 7
    血まみれで倒れ伏す北朝鮮兵...「9時間に及ぶ激闘」…
  • 8
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 9
    今も続いている中国「一帯一路2.0」に、途上国が失望…
  • 10
    煩雑で高額で遅延だらけのイギリス列車に見切り...鉄…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀…
  • 5
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 9
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
  • 10
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中