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中国の敬業集団、ブリティッシュ・スチール買収で暫定合意
11月11日、中国の敬業集団は、経営破綻した英国の鉄鋼メーカー、ブリティッシュ・スチールの買収に向け暫定合意した。写真はイングランド北部のスカンソープで5月撮影(2019年 ロイター/SCOTT HEPPELL)
[ロンドン/北京 11日 ロイター] - 中国の敬業集団は、経営破綻した英国の鉄鋼メーカー、ブリティッシュ・スチールの買収に向け暫定合意した。向こう10年間で12億ポンド(15億ドル)を投資するほか、数千人の雇用を守ると約束した。
最終的な合意はこれからだが、レッドソム・ビジネス相は最終合意できると楽観していると表明した。
敬業集団の李会長は、世界規模のグループ形成が目標とした上で、将来的に数千人の雇用を確保し、高技術・高品質の鉄鋼製品を生産していきたいと述べた。
買収規模については不明。英BBCは当初、敬業集団がブリティッシュ・スチールを7000万ポンド(9000万ドル)で買収すると報じていた。複数の関係筋によると、額は5000万ポンド相当とみられている。
ブリティッシュ・スチールは5月22日に経営破綻に追い込まれた。同社の社員は約5000人。さらに取引先に合計2万人の社員がいる。建設や鉄道網で利用される利益率の高い条鋼を生産している。
トルコの軍年金基金を運営する複合企業オヤックは今年8月、ブリティッシュ・スチールを買収することで暫定的な合意に達したと発表したが、この交渉も結局決着しないまま独占交渉期限を迎えた経緯がある。
英国では12月12日に総選挙が実施される予定で、合意が成立すれば、政治的に大きな得点になるとみられている。
ブリティッシュ・スチールが本社を置くイングランド北部の経済振興を目指す団体「ノーザン・パワーハウス・パートナシップ」の幹部は、今回の動きを「非常に歓迎すべきニュース」と評価。
中国は、習近平国家主席が提唱する現代版シルクロード構想「一帯一路」の下で海外投資を進めており、中国企業はセルビアの製鉄所も買収している。
中国による企業買収には警戒感も出ており、欧州連合(EU)は安価な中国製品の流入から域内の鉄鋼産業を守る方針を示している。
敬業集団は従業員2万3500人、登記資本390億元(55億8000万ドル)。中国の上位500社中217位となっている。
*内容を追加しました。