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野村HD7―9月期、2年半ぶり赤字転落 米司法省への和解金支払いで
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10月31日、野村ホールディングスが発表した発表した2018年7─9月期連結決算(米国会計基準)は、当期損益が112億円の赤字(前四半期は52億円の黒字)となった。四半期ベースでの赤字は16年1―3月期以来で、ほぼ2年半ぶり。写真は同社のロゴ。2015年12月に都内で撮影(2018年 ロイター/Toru Hanai)
[東京 31日 ロイター] - 野村ホールディングス <8604.T>が31日発表した2018年7─9月期連結決算(米国会計基準)は、当期損益が112億円の赤字(前四半期は52億円の黒字)となった。四半期ベースでの赤字は16年1―3月期以来で、ほぼ2年半ぶり。米子会社による住宅ローン担保証券(RMBS)の不正販売問題で、米司法省に支払う和解金のうち、約200億円を計上したことが主因。
和解金の総額4億8000万ドル(約540億円)のうち、18年3月期に300億円強を引き当て計上していたが、7―9月期に追加費用を計上した。加えて、ヘッジ取引に関連する損失160億円や、バーレーンの子会社清算に伴う為替差損70億円などが利益を押し下げた。
会見した北村巧財務統括責任者(CFO)は「米国司法省との和解金や子会社の清算に伴う損失は一時的要因」と説明した。
主要3部門のリテール、アセットマネジメント、ホールセールの税前利益は前四半期比14%増の260億円となった。
リテールは、トルコなど新興国通貨の下落を受けて新興国債券の販売が大きく落ち込むなどして、同39%減の122億円となった。一方、第1・四半期に74億円の赤字だったホールセールは、49億円の黒字に回復。金利の動きが戻り、債券ビジネスが持ち直した。アセットマネジメントは、同13%減の89億円となった。
日本を除く米州、欧州、アジアの3地域を合わせた税前損益は計322億円の赤字(前四半期は77億円の赤字)となり、3四半期連続の赤字となった。ただ、米司法省との和解金や子会社の為替差損が含まれており、実質的な赤字幅は縮小している。
野村は欧州の人員を、より収益機会の多い米国に移しており、北村CFOは「ホールセール部門は足元で回復してきている。取り組んできた方向は間違っていない」として、今後の業績回復に自信を見せた。
*本文5段落目の誤字を修正して再送します。
(布施太郎)