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イタリア国債、3月選挙前に大半売却 現在は買い目線=かんぽ生命
5月31日、イタリア政局の混迷を背景に今週イタリア国債利回りが急上昇(価格は下落)するなか、国内大手生保のかんぽ生命>が、3月の総選挙を前にイタリア国債の保有残高を3分の1に圧縮してリスクに備えており、現在はマーケットが行き過ぎる局面を狙って買い目線でいることがわかった。写真は都内で2015年10月撮影(2018年 ロイター/Thomas Peter)
[東京 31日 ロイター] - 政局の混迷を背景に今週イタリアの国債利回りが急上昇(価格は下落)したが、国内大手生保のかんぽ生命は3月の総選挙を前にイタリア国債の保有残高を3分の1に圧縮してリスクに備えており、現在は、マーケットが過剰反応し金利が急騰する局面を狙って買いのスタンスであることがわかった。
同社の立花淳常務執行役(運用担当)は、ロイターの取材に対し、「3月の総選挙前は、あまりに皆が楽観に傾いていたので慎重スタンスになった。ここからはむしろ、短期ゾーンについては買い目線でいる」と述べた。
欧州金融市場では29日、イタリアの2年国債利回りは150ベーシスポイント(bp)超上げ、2.73%に上昇。1日としては1992年以来の大幅上昇となっていた。
これについて立花常務は「イタリアがデフォルトするとは思っていない。マーケットの過剰反応だ」との見解を示し、30日には短期ゾーンのイタリア債に買いを入れようとしたものの、「ビッドとオファーのスプレッドが開き過ぎていて買えなかった」と明らかにした。
その後、イタリア財務省が実施した国債入札を無難に通過したことなどを受けて、市場のリスクオフムードはいったん後退し、日本時間の31日朝にかけてイタリア国債の利回り上昇は一服している。
かんぽ生命の春名貴之常務執行委員(運用開発部長)は31日、「イタリアの政治混乱を背景にしたボラティリティーの高い状況は、今後も続くとみている。きょうのように落ち着きが戻ったところでは追わないが、再び市場が行き過ぎた場面では買い、というスタンスは変えていない」と述べた。
一方、日本生命の運用担当者は30日、ロイターの取材に対し、保有するイタリア国債については当面は拙速な売買を控え、様子見姿勢でいると述べていた
*内容を追加します。
(植竹知子、佐野日出之)