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諮問会議民間議員、PB黒字化25年度提言 社会保障費抑制額に触れず
5月28日、政府は経済財政諮問会議を開催し、民間議員らから、基礎的財政収支(PB)の黒字化達成時期について、2025年度を目指すことが提案された。都内で16日撮影(2018年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
[東京 28日 ロイター] - 政府は28日、経済財政諮問会議を開催し、民間議員らから、基礎的財政収支(PB)の黒字化達成時期について、2025年度を目指すことが提案された。また中間目標を21年度に設定、PBを17年度から実質的に半減しGDP比1.5%とすること、債務残高を17年度の見込みにGDP比189%から180%台前半に、財政赤字GDP比を17年度のマイナス4.8%からマイナス3%以下とするメルクマールを置いて、進捗を管理することした。
黒字化目標について、財政制度審議会では「遅くとも25年度までに」との表現をとっている。自民党の財政再建特命委員会報告でも「25年度までの間に」となっていた。これに比べると諮問会議での提案はやや緩めの設定とも言えそうだ。
目標達成に向けての取り組みとして、社会保障の自然増抑制や医療・介護サービスの適正化・効率化、生産性向上、給付と負担の適正化が不可欠だとして、団塊世代が75歳に入り始める22年度より前の19─21年度を「基盤強化期間」と位置づける。
目標と毎年度の予算編成を結びつけるための仕組みとして、肝心の社会保障関係費については、具体的数値の設定には触れなかった。従来は3年間で1.5兆円の増加に抑制。今後しばらくは、いわゆる「焼け跡世代」の高齢化ベースが従来より減速、社会保障関係費も増加がペースダウンするため増加額は一層抑制できるはずだが、他方で物価の上昇が見込まれることもあり、具体的数値の設定は難しいとの見方があるためだ。
民間議員の提言では「社会保障関係費の伸びを、今後の経済・物価動向等を踏まえつつ、高齢化による増加分に相当する水準に収めることを目指すべき」と増加・減少要因を併記した形にとどめている。ただ、消費税引き上げ分を財源とする「新しい政策パッケージ」に含まれる経費は上記の枠外とすべきとした。
また19年度に予定されている消費税率引き上げ伴う需要変動に機動的な対応を図るため、予算編成の考え方として、臨時・特別措置を19、20年度当初予算において講ずることとすべき、とした。
(中川泉 編集:田中志保)