ニュース速報

ビジネス

トランプ氏のメキシコ政策、当面は静観=ホンダ社長

2016年11月21日(月)22時29分

 11月21日、ホンダの八郷隆弘社長は、ドナルド・トランプ氏がNAFTAに否定的でメキシコ生産に厳しい態度を取っていることについて、政策は「まだまだ不透明だ」とし、当面はこれまで通りの生産体制を維持する考えを示した(2016年 ロイター/Issei Kato)

[東京 21日 ロイター] - ホンダ<7267.T>の八郷隆弘社長は21日、ロイターなど会見、米国大統領選に当選した共和党のドナルド・トランプ氏が北米自由貿易協定(NAFTA)に否定的で、メキシコからの対米輸出に厳しい態度を取っていることについて、同氏の政策は「まだまだ不透明だ」とし、当面はこれまで通りの生産体制を維持する考えを示した。

ホンダはメキシコに生産拠点を持つ。八郷社長は同氏のメキシコ政策は「ホンダだけの問題ではなく、北米、特に米国の自動車産業全体として」の問題だと指摘。仮にメキシコからの輸出に「関税がかかったとしても、急に生産のアロケーション(再配置)ができるわけでもない」とし、「基本は静観していくしかない。メキシコ工場をどうしようかとはあまり考えておらず、当面は今まで通りの路線でやる」と述べた。

また、同社は日本国内の生産能力の余剰分を輸出用生産に振り向けているが、八郷社長は、円安が進んでも「今のところ基本的には日本の生産能力を利用していきたい」との方針を示した。「日本の工場の競争力を高め、日本から輸出できるような体質に変えていきたい」と述べた。

人気車種の供給が不足している北米での現地生産能力の増強に関しては「考えていない」とし、欧州や日本からの輸出で対応するという。

一方、各社が投入を相次いで表明している電気自動車(EV)については、プラグインハイブリッド車(PHV)と合わせ、主要市場に投入する方針を明らかにした。八郷氏は「来年度中に米国でもEVを出したい」と述べ、「将来的には中国、日本、欧州にも展開できればいい」と語った。航続距離が短いEVは車種が限られるものの、同社長はホンダが究極のエコカーと位置付けている「燃料電池車(FCV)のバッテリー研究にもEVは必要になる」とし、EVへの取り組みに意欲を示した。

*内容を追加して再送します。

(白木真紀)

ロイター
Copyright (C) 2016 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

鴻海、ルノー保有の日産株取得へ協議 幹部が訪仏=台

ビジネス

午後3時のドルは155円前半へ上昇、一時1カ月ぶり

ビジネス

首都圏マンション、11月発売戸数は18.7%減 価

ワールド

韓国年金基金と中銀、スワップ枠を拡大 ウォンの下落
MAGAZINE
特集:アサド政権崩壊
特集:アサド政権崩壊
2024年12月24日号(12/17発売)

アサドの独裁国家があっけなく瓦解。新体制のシリアを世界は楽観視できるのか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    村上春樹、「ぼく」の自分探しの旅は終着点に到達した...ここまで来るのに40年以上の歳月を要した
  • 2
    遠距離から超速で標的に到達、ウクライナの新型「ヘルミサイル」ドローンの量産加速
  • 3
    「どんなゲームよりも熾烈」...ロシアの火炎放射器「TOS-1」をウクライナ軍が破壊する劇的瞬間をカメラが捉えた
  • 4
    ウクライナ「ATACMS」攻撃を受けたロシア国内の航空…
  • 5
    「制御不能」な災、黒煙に覆われた空...ロシア石油施…
  • 6
    女性クリエイター「1日に100人と寝る」チャレンジが…
  • 7
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式…
  • 8
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 9
    電池交換も充電も不要に? ダイヤモンドが拓く「数千…
  • 10
    アサドは国民から強奪したカネ2億5000万ドルをロシア…
  • 1
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式多連装ロケットシステム「BM-21グラート」をHIMARSで撃破の瞬間
  • 2
    コーヒーを飲むと腸内細菌が育つ...なにを飲み食いするかで「健康改善できる可能性」の研究
  • 3
    半年で約486万人の旅人「遊女の数は1000人」にも達した江戸の吉原・京の島原と並ぶ歓楽街はどこにあった?
  • 4
    村上春樹、「ぼく」の自分探しの旅は終着点に到達し…
  • 5
    「どんなゲームよりも熾烈」...ロシアの火炎放射器「…
  • 6
    女性クリエイター「1日に100人と寝る」チャレンジが…
  • 7
    電池交換も充電も不要に? ダイヤモンドが拓く「数千…
  • 8
    ロシア兵「そそくさとシリア脱出」...ロシアのプレゼ…
  • 9
    ウクライナ「ATACMS」攻撃を受けたロシア国内の航空…
  • 10
    【クイズ】アメリカにとって最大の貿易相手はどこの…
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    ロシア兵「そそくさとシリア脱出」...ロシアのプレゼンス維持はもはや困難か?
  • 4
    半年で約486万人の旅人「遊女の数は1000人」にも達し…
  • 5
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 6
    「炭水化物の制限」は健康に問題ないですか?...和田…
  • 7
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式…
  • 8
    コーヒーを飲むと腸内細菌が育つ...なにを飲み食いす…
  • 9
    2年半の捕虜生活を終えたウクライナ兵を待っていた、…
  • 10
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中