ニュース速報

ビジネス

日銀の政策枠組み変更を評価、構造改革強化も=IMF副専務理事

2016年10月11日(火)08時59分

 10月8日、国際通貨基金のリプトン筆頭副専務理事(写真)はロイターとのインタビューで、日銀が9月に採用した新たな政策枠組み、長短金利操作付き量的・質的金融緩和について、信頼性の向上につながるものだと評価する考えを表明した。(2016年 ロイター/Yuri Gripas)

[ワシントン 8日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)のリプトン筆頭副専務理事はロイターとのインタビューで、日銀が9月に採用した新たな政策枠組み、長短金利操作付き量的・質的金融緩和について、信頼性の向上につながるものだとして評価する考えを表明した。

同氏はまた、世界中で経済活性化の手段としての金融政策が限界に近づいているという見方があることに関しては、否定的な立場を示し、中銀は新たなアイディアを受け入れる姿勢を持つべきだと強調した。

「中銀は常に、直面する現実に基づいて可能なことは何でも実施する用意があるべきだ」と指摘。「想像力に富んだ手法という点で日銀は好例だ」と述べた。

日銀は9月の金融政策決定会合で、従来の「量」に代わり「金利」をより重視する政策の枠組みを打ち出した。

日銀が導入した短期金利と長期金利の目安を示すイールドカーブ・コントロール(YCC)についてリプトン氏は、「可能であることはもちろんだが、妙案だ」とし、リフレを図る取り組みを強化させたことを評価した。

そのうえで、新たな枠組みによって「政策の柔軟性が増し、信頼性が向上するだろう」と語り、「正しい方向への一歩」と述べた。

一方、安倍政権の経済政策「アベノミクス」に関しては、持続的でバランスの取れた経済成長を達成するためには機動的な財政政策と構造改革の2つの矢の強化が必要と指摘。「金融政策に依存しているだけでは最善の結果は期待できない」とし、「所得押し上げを一層重視し、(金融、財政、成長戦略の)3本の矢を組み合わせることで、中銀へのプレッシャーを軽くできる」と語った。

ロイター
Copyright (C) 2016 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエル、イラン核施設への限定的攻撃をなお検討=

ワールド

米最高裁、ベネズエラ移民の強制送還に一時停止を命令

ビジネス

アングル:保護政策で生産力と競争力低下、ブラジル自

ワールド

焦点:アサド氏逃亡劇の内幕、現金や機密情報を秘密裏
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇した「透けレギンス」投稿にネット騒然
  • 2
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 3
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はどこ? ついに首位交代!
  • 4
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 5
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 6
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 7
    「2つの顔」を持つ白色矮星を新たに発見!磁場が作る…
  • 8
    『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず…
  • 9
    トランプが「核保有国」北朝鮮に超音速爆撃機B1Bを展…
  • 10
    300マイル走破で足がこうなる...ウルトラランナーの…
  • 1
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 2
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 3
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最強” になる「超短い一言」
  • 4
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇…
  • 5
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 6
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気では…
  • 7
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトラ…
  • 8
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 9
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?.…
  • 10
    動揺を見せない習近平...貿易戦争の準備ができている…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 8
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中