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ECBは物価に警戒を、効果見極る忍耐も必要=ベルギー中銀総裁
5月12日、スメッツ・ベルギー中銀総裁、ユーロ圏のインフレ率が歴史的な低水準で推移していることに依然警戒が必要と指摘(2016年 ロイター/Francois Lenoir)
[ブリュッセル 12日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのスメッツ・ベルギー中銀総裁は、ユーロ圏のインフレ率が歴史的な低水準で推移していることに依然警戒が必要だが、仮に来月発表されるECBスタッフの経済見通しで物価予想が引き下げられたり何らかの変更が生じたとしても、ECBがすぐさま対応を迫られるものではない、との考えを明らかにした。
ロイターとのインタビューで述べた。インフレが基調的にぜい弱で賃金の伸びも抑制されるなか、ECBとしてマイナスの衝撃に備え一段の刺激策を準備することは必要だが、同時にすでに決定した措置を実施していくのに時間がかかるため、忍耐も求められるとした。
「インフレ指標は総合、コア指数ともに抑制されており、景気回復が控えめであることを踏まえると、引き続き重要な留意点となる。失業率が改善しているにもかかわらず、賃金の伸びは下方トレンドを示している」とした上で「インフレ期待は引き続き低調で、警戒することが依然として正当化される」と語った。
さらに「ECBはこれまで数多くの非伝統的措置を講じていることから、新たに行動する前に現在の対応を続けるとともに、その効果を見極めるという忍耐が必要かもしれない」と述べた。一方、新たな衝撃に伴いこれまでの対応が不十分と判断されれば、ECBは行動するし、そのための手段を持ち合わせていると強調した。