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アサヒが欧州ビールブランド買収で基本合意、海外市場強化狙う
3月10日、アサヒは欧州ビール4事業の買収で基本合意した。写真は同社ビールのグラス。シンガポールで昨年10月撮影(2016年 ロイター/Tim Wimborne/Files)
[東京 10日 ロイター] - アサヒグループホールディングス <2502.T>は10日、英SABミラー
買収金額は25億5000万ユーロ(約3297億円)。欧州に基盤を持つことで、海外市場での成長を図る。
アサヒは「将来の成長基盤を獲得できるだけでなく、安定した高収益の事業を傘下におさめることになる。新たな販路を活用することによって、スーパードライブランドのプレゼンス向上、販売シナジーも追求でき、世界市場における成長を加速できるものと見込んでいる」としている。
現在、スーパードライは世界約70カ国で販売しており、15年は864万ケース(前年比15%増)と伸長している。同社としては、さらに拡販を図りたい方針。
アサヒの2015年12月期の海外売上高比率は13.5%。今回の買収で、海外売上高比率は約18%に拡大する見込み。
今年から始まった中期計画経営方針の中では、グローバルな成長基盤の拡大を重点課題のひとつとして挙げている。アサヒの海外事業は、オセアニアと東南アジアが中心。ここに欧州を加えることで、事業の拡大を図る。
今回の買収対象となる会社は、イタリアビール事業であるビラ・ペローニ、オランダビール事業の持ち株会社であるローヤル・グロールシュ、クラフトビールを製造・販売するミーンタイム・ブリューイング、イギリスでビールを輸入、販売するミラー・ブランズUK。アサヒによると、買収対象事業を単純合算した売上高は約900億円、営業利益は約140億円。
同買収は、アンハイザー・ブッシュ・インベブによるSABミラー買収が実行されることや、アサヒが対象事業の買主として欧州委員会から承認されることなどが条件となる。
株式売買契約の締結は2016年上期、買収実行は16年下期を予定している。
アサヒのファイナンシャル・アドバイザー(FA)はロスチャイルド。
アサヒにとっては、過去最大規模の買収となる。これまでは、2011年に約982億円を投じたインディペンデント・リカー・グルー プが最大だった。
(清水律子 編集:石田仁志)