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米9月耐久財コア受注0.3%減、2カ月連続のマイナス

2015年10月27日(火)23時52分

 10月27日、9月の米耐久財受注は2カ月連続のマイナスとなった。写真は米アラバマ州のエアバス工場。9月13日撮影。(2015年 ロイター/Michael Spooneybarger)

[ワシントン 27日 ロイター] - 米商務省が27日発表した9月の耐久財受注は、非国防資本財から航空機を除いたコア受注が前月比0.3%減で、2カ月連続のマイナスとなった。市場は横ばいを予想していた。軟調な数字は、米経済が第3・四半期に急減速したことを示している。

8月の数字は当初発表の0.8%減から1.6%減に下方修正された。

9月の耐久財受注は全体で1.2%減った。輸送機器が2.9%減少し、全体を押し下げた。輸送機器のうち、民間航空機は35.7%減。航空機大手のボーイングは、9月の受注が29機となり、前月の52機から急減したと自社のサイト上で明らかにした。一方、自動車は1.8%の増加だった。

国内総生産(GDP)の算出に使用されるコア資本財の出荷は前月比0.5%の増加だった。8月の数字は当初発表の0.4%減から0.8%減に下方修正された。

耐久財在庫は0.3%減で2013年5月以来、最も大きな減少となった。受注残は0.6%減った。

製造業は米経済の12%を占めるが、ドル高や原油安に伴うエネルギー産業の投資削減でもたついている。世界的な需要減少や企業による在庫削減の動きによっても打撃を被っている。

今回の軟調な耐久財受注は、貿易や小売売上高、鉱工業生産の数字とともに、第3・四半期に米経済が著しく勢いを失ったことを示唆する。 

耐久財受注の発表後、ドルはユーロや円に対して値下がりし、米国債の価格は上昇した。

企業支出が引き続き弱含んでいることは、企業の採用意欲の低下の兆しと合わせて、米連邦準備理事会(FRB)による年内の利上げにさらなる疑問符をつける結果となりそうだ。FRBは政策運営を決めるための連邦公開市場委員会(FOMC)を27日から2日間の予定で開く。

エコノミストらによる予想では、第3・四半期のGDPは年率で1.6%の成長と想定されている。第2・四半期の3.9%成長からは大きな減速となる。第3・四半期のGDPは29日に発表される。

昨年6月以降、ドルは米国の主要貿易相手国の通貨に対して15.4%値上がりしており、そのことはプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)や、3Mなど多国籍企業の利益を押し下げている。

また、原油安は石油探査大手シュルンベルジェや建機大手キャタピラーなどの収益を圧迫している。シュルンベルジェは今月、需要回復は17年まで期待できないとし、16年の石油探査や生産のための投資は2年連続の減少になるとの見通しを示した。

ロイター
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