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ABインベブの買収提案、SABミラー直ちに拒否
10月7日、ビール世界最大手のABインベブは、第2位の英SABミラーに対する買収提案で1株当たりの買収価格を42.15ポンドに引き上げた。ベルギーのルーベンで昨年2月撮影(2015年 ロイター/FRANCOIS LENOIR)
[ブリュッセル 7日 ロイター] - ビール世界第2位の英SABミラーは7日、最大手アンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABインベブ)が示した買収価格引き上げ提案を即座に拒否した。企業価値680億ポンド(1040億ドル)の評価は不十分と指摘した。
ABインベブはこの日、SABミラーに対する買収提案で、1株当たりの買収価格を42.15ポンドに引き上げた。ABインベブは、これまでに2回の買収提案をしたことを明らかにし、2回目の提案価格は40ポンドだったという。
ABインベブは代替案として、現金と株式を組み合わせた買収も提案。代替案では、SABミラーの株主が1株当たり現金2.37ポンドと、ABインベブの未公開の種類株式0.48株を取得することになる。この種類株式は5年間のロックアップ期間付きで、この後は普通株式に転換可能だ。
SABミラーは、最大株主の米食品・たばこ大手、アルトリア・グループ指名メンバーを除いて、取締役会が提案を拒否したと明らかにした。
SABミラーは買収提案について声明で、「本社や、独特で他社の追随を許さぬ足跡、単体での見通しについて、まだ非常に著しく過小評価している」とした。
ヤン・デュ・プレシス会長は、同社が「世界の酒造業界のクラウン・ジュエル(最も重要な資産)」と主張。ABインベブが示した買収提案について「多くの当社株主にとって魅力的でない内容」と述べた。
一方で、最大株主のアルトリアは買収提案を支持、代替案の受け入れ用意もあると表明した。
SABミラーを買収すれば、ABインベブはアフリカや一部中南米、アジア市場を射程に入れる。アフリカの飲酒可能年齢人口は今後数年間急増、中流階級のビール消費も伸びると見込まれている。