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物価2%達成の遅れは原油安、説明責任果たしている=岩田日銀副総裁

2015年04月23日(木)13時41分

 4月23日、岩田規久男日銀副総裁は午前の参議院財政金融委員会で、量的・質的金融緩和(QQE)は労働市場を中心に実体経済に好影響を及ぼしており、現行政策の継続によって物価2%目標への基調は維持できるとの考えを示した。写真は、岩田規久男日銀副総裁、2013年3月撮影(2015年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 23日 ロイター] - 岩田規久男日銀副総裁は23日午前の参議院財政金融委員会で、量的・質的金融緩和(QQE)は労働市場を中心に実体経済に好影響を及ぼしており、現行政策の継続によって物価2%目標への基調は維持できるとの考えを示した。

また、就任前に目標が達成できなければ辞任すると表明したことに関して、現在の物価低迷は想定できなかった原油価格の急落が要因だとし、「説明責任は果たしている」と語った。

岩田副総裁はQQEの効果について、需給ギャップがゼロ%近辺に改善していることや、物価上昇率の鈍化が続く中でも「予想物価上昇率は安定している」とし、「物価の基調は変化していない」と指摘。現行のQQEを継続していくことで、「(物価上昇率)2%に向けた基調は保たれていく」との見解を示した。

実体経済への効果についても、失業率の低下や有効求人倍率の上昇など「雇用市場に最も顕著に表れている。これは何よりもいいこと」とし、QQEは「実体経済に対して良い影響を与えており、今後もこの緩和を継続することで後押しできる」と自信を示した。

一方、実際の消費者物価(生鮮食品除く、コアCPI)上昇率は、原油価格急落を受け、消費税率引き上げの影響を除いたベースでゼロ%に低下している。

岩田副総裁は就任前、国会での所信聴取で、2年程度で2%の物価安定目標が実現できない場合、最高の責任のとり方は辞職などと発言した。

2年が経過し、見解を問われた岩田副総裁は、説明責任が果たせなかった場合は辞職するとの趣旨の発言だったとし、「その考えに今でも変わりはない」と明言した。

そのうえで、物価が2%に達していない原因は「想定していなかった原油価格の下落だ。半年間で5割の下落は想定できなかった」とし、これは世界の多くの国々でも物価の下落圧力になっており、「他国でも避けられない合理的な理由」と主張。物価目標達成が遅れている「説明責任は果たしている」と語った。

(伊藤純夫 編集:山川薫)

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