ニュース速報

ビジネス

ドル119円後半で底堅い、120円台では実需の売りも散見

2015年04月23日(木)12時24分

[東京 23日 ロイター] - 正午のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べて、わずかにドル高/円安の119円後半。日経平均株価が2万円台を維持する中、朝方からじり高となり、9日ぶりに120円台に乗せた。ただ、120円台では実需筋の売りが散見され、上値を抑える要因になっているという。

前日、米国の株式市場と長期金利が上昇したことを受け、ドル/円は朝方から底堅さが意識されていた。日経平均が2万円台でしっかり推移すると、じりじり値を上げ、4月14日以来となる120円台に乗せた。

仲値に向けて120.10円まで上昇したものの、その後は伸びの勢いを欠き、正午にかけて高値圏でもみあった。市場では「一度118円半ばを見せられているので、120円台にくると輸出企業からちょっとだけ売りが出る」(邦銀)との声や「統一地方選の後半戦やTPP交渉などもあるので、一辺倒に上方向には行きづらい」(信託銀行)との見方が出ていた。

中国の4月HSBC製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は49.2で、3月の49.6から低下。ロイターがまとめた市場予想(49.6)も小幅に下回ったが、外為市場の反応は限定的だった。

<日米金融政策イベント控え動きづらいとの声も>

朝方には「米国の10年債利回りが2%にしっかり乗ってくれば、ドル高機運が高まるかもしれない。ただ、米連邦公開市場委員会(FOMC)や日銀金融政策決定会合を来週に控え、積極的に上がっていく展開にもなりにくい」(国内金融機関)との声が出ていた。

来週30日の日銀金融政策決定会合では、金融政策が現状維持となる可能性が指摘されており、市場では「追加緩和期待も高まっているという感じはそれほどない」(外為アナリスト)という。ただ「日銀の物価見通し下方修正の観測記事などで、ひょっとしたらあるかもしれないという見方もある」(同)とされ、注意が必要だという。

きょうは日銀の黒田東彦総裁が参院財政金融委員会に出席し、発言も伝わってきているが、今のところ反応は限定的となっている。

ドル/円  ユーロ/ドル  ユーロ/円

正午現在   119.96/98 1.0696/00 128.32/36

午前9時現在 119.94/96 1.0723/27 128.62/66

NY午後5時 119.89/92 1.0723/26 128.59/63

(為替マーケットチーム)

ロイター
Copyright (C) 2015 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

バルニエ仏新首相、移民政策に強硬姿勢 大統領の主要

ワールド

英首相、13日に訪米 バイデン大統領と会談=ホワイ

ワールド

トランプ氏量刑言い渡し、大統領選後に延期 不倫口止

ワールド

原油先物2%安、北海ブレントは21年12月以来の安
MAGAZINE
特集:日本政治が変わる日
特集:日本政治が変わる日
2024年9月10日号(9/ 3発売)

派閥が「溶解」し、候補者乱立の自民党総裁選。日本政治は大きな転換点を迎えている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    国立西洋美術館『モネ 睡蓮のとき』 鑑賞チケット5組10名様プレゼント
  • 2
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン」がロシア陣地を襲う衝撃シーン
  • 3
    「私ならその車を売る」「燃やすなら今」修理から戻ってきた車の中に「複数の白い塊」...悪夢の光景にネット戦慄
  • 4
    「冗長で曖昧、意味不明」カマラ・ハリスの初のイン…
  • 5
    世界に400頭だけ...希少なウォンバット、なかでも珍…
  • 6
    【現地観戦】「中国代表は警察に通報すべき」「10元…
  • 7
    川底から発見された「エイリアンの頭」の謎...ネット…
  • 8
    「自由に生きたかった」アルミ缶を売り、生計を立て…
  • 9
    【クイズ】最新の世界大学ランキングで、アジアから…
  • 10
    7人に1人が寝つきの悪さに悩む...「夜のエクササイズ…
  • 1
    エリート会社員が1600万で買ったマレーシアのマンションは、10年後どうなった?「海外不動産」投資のリアル事情
  • 2
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン」がロシア陣地を襲う衝撃シーン
  • 3
    中国の製造業に「衰退の兆し」日本が辿った道との3つの共通点
  • 4
    「あの頃の思い出が詰まっている...」懐かしのマクド…
  • 5
    大谷翔平と愛犬デコピンのバッテリーに球場は大歓声…
  • 6
    無数のハムスターが飛行機内で「大脱走」...ハムパニ…
  • 7
    死亡リスクが低下する食事「ペスカタリアン」とは?.…
  • 8
    再結成オアシスのリアムが反論!「その態度最悪」「…
  • 9
    国立西洋美術館『モネ 睡蓮のとき』 鑑賞チケット5組…
  • 10
    エルサレムで発見された2700年前の「守護精霊印章」.…
  • 1
    ウクライナの越境攻撃で大混乱か...クルスク州でロシア軍が誤って「味方に爆撃」した決定的瞬間
  • 2
    寿命が延びる「簡単な秘訣」を研究者が明かす【最新研究】
  • 3
    エリート会社員が1600万で買ったマレーシアのマンションは、10年後どうなった?「海外不動産」投資のリアル事情
  • 4
    電子レンジは「バクテリアの温床」...どう掃除すれば…
  • 5
    ハッチから侵入...ウクライナのFPVドローンがロシア…
  • 6
    年収分布で分かる「自分の年収は高いのか、低いのか」
  • 7
    日本とは全然違う...フランスで「制服」導入も学生は…
  • 8
    「棺桶みたい...」客室乗務員がフライト中に眠る「秘…
  • 9
    ウクライナ軍のクルスク侵攻はロシアの罠か
  • 10
    「あの頃の思い出が詰まっている...」懐かしのマクド…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中