ニュース速報

ビジネス

日経2万円:緩和マネーと企業の変化が原動力=三井住友アセット

2015年04月10日(金)11時43分

 4月10日、日経平均が15年ぶりに2万円の大台を回復したことについて、三井住友アセットマネジメント・シニアストラテジストの市川雅浩氏は、グローバルな緩和マネーと手元資金を効率的に使い始めた企業側の変化が大きいとみている。都内で18日撮影(2015年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 10日 ロイター] - 日経平均<.N225>が15年ぶりに2万円の大台を回復したことについて、三井住友アセットマネジメント・シニアストラテジストの市川雅浩氏は、グローバルな緩和マネーと手元資金を効率的に使い始めた企業側の変化が大きいとみている。

年央には2万1000円に到達する予想だが、米利上げをきっかけに調整局面入りを見込んでいる。

10日午前、ロイターのインタビューに答えた。

──日経2万円達成の原動力は。

「グローバルな過剰流動性と日本企業の姿勢の変化、2つの要素がかみ合ったことが大きいとみている。日欧の量的緩和を背景に資金は潤沢だ。9月にも米利上げがあるとみているが、ペースは緩やかであり、過剰流動性が急速に収縮するリスクは小さいだろう。日本企業が経営効率を重視する方向に舵を切っていることも重要。豊富な手元資金を配当やM&Aに使い始めている。海外投資家は日本企業の変化を評価している」

──年内の株価見通しはどうか。

「日経平均2万円は通過点とみているが、上値も2万1000円程度だろう。日銀が追加緩和に踏み切れば、一段の円安・株高もあり得るが、日銀が早期に動くとは考えにくい。これまでのような強力な株高推進力が働くことはない。日本株は年央にもピークを付けそうだ。9月以降に米連邦準備理事会(FRB)が利上げを開始すれば、ドル高のペースは緩むか、むしろ一服する可能性もあるだろう。米利上げをきっかけに日本株の上値も重くなるとみている」

──日経平均3万円の可能性は。

「東京五輪が開催される2020年までということであれば、期待感はあるが、現時点では見通せない。国内だけの要因で3万円を試すには無理がある。中国や新興国も含めた世界景気の持ち直しが必要だ。いまの段階でそれほど楽観的にはみていない」

*写真を加えました。

(河口浩一)

ロイター
Copyright (C) 2015 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

薬剤耐性菌による死者数、今後25年間で世界3900

ワールド

シンガポール非石油輸出、8月は前年比+10.7% 

ビジネス

中国EVのBYD、社員数90万人突破 政府政策受け

ビジネス

午前の日経平均は続落、3万6000円割れ 円高警戒
MAGAZINE
特集:ニュースが分かる ユダヤ超入門
特集:ニュースが分かる ユダヤ超入門
2024年9月17日/2024年9月24日号(9/10発売)

ユダヤ人とは何なのか? なぜ世界に離散したのか? 優秀な人材を輩出した理由は? ユダヤを知れば世界が分かる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    キャサリン妃とメーガン妃の「ケープ」対決...最も優雅でドラマチックな瞬間に注目
  • 2
    エリザベス女王とフィリップ殿下の銅像が完成...「誰だこれは」「撤去しろ」と批判殺到してしまう
  • 3
    地震の恩恵? 「地震が金塊を作っているかもしれない」との研究が話題に...その仕組みとは?
  • 4
    ウィリアムとヘンリーの間に「信頼はない」...近い将…
  • 5
    バルト三国で、急速に強まるロシアの「侵攻」への警…
  • 6
    北朝鮮、泣き叫ぶ女子高生の悲嘆...残酷すぎる「緩慢…
  • 7
    原作の「改変」が見事に成功したドラマ『SHOGUN 将軍…
  • 8
    広報戦略ミス?...霞んでしまったメーガン妃とヘンリ…
  • 9
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座…
  • 10
    ロシア空軍が誇るSu-30M戦闘機、黒海上空でウクライ…
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    「もはや手に負えない」「こんなに早く成長するとは...」と飼い主...住宅から巨大ニシキヘビ押収 驚愕のその姿とは?
  • 3
    【クイズ】自殺率が最も高い国は?
  • 4
    アメリカの住宅がどんどん小さくなる謎
  • 5
    北朝鮮、泣き叫ぶ女子高生の悲嘆...残酷すぎる「緩慢…
  • 6
    キャサリン妃とメーガン妃の「ケープ」対決...最も優…
  • 7
    ロシア空軍が誇るSu-30M戦闘機、黒海上空でウクライ…
  • 8
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン…
  • 9
    キャサリン妃、化学療法終了も「まだ完全復帰はない…
  • 10
    33店舗が閉店、100店舗を割るヨーカドーの真相...い…
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    エリート会社員が1600万で買ったマレーシアのマンションは、10年後どうなった?「海外不動産」投資のリアル事情
  • 3
    電子レンジは「バクテリアの温床」...どう掃除すればいいのか?【最新研究】
  • 4
    年収分布で分かる「自分の年収は高いのか、低いのか」
  • 5
    「棺桶みたい...」客室乗務員がフライト中に眠る「秘…
  • 6
    「まるで別人」「ボンドの面影ゼロ」ダニエル・クレ…
  • 7
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン…
  • 8
    ウクライナ軍のクルスク侵攻はロシアの罠か
  • 9
    「あの頃の思い出が詰まっている...」懐かしのマクド…
  • 10
    「もはや手に負えない」「こんなに早く成長するとは.…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中