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焦点:インドネシア株から資金流出か、債務膨張など悪材料重なる
3月26日、インドネシア株式市場ではルピア安、対外債務の膨張、輸入コストの上昇など悪材料が重なり、海外投資家が資金を引き揚げようとしている。写真はインドネシアの証券取引所、2014年7月撮影(2015年 ロイター/Beawiharta)
[ジャカルタ 26日 ロイター] - インドネシア株式市場ではルピア安、対外債務の膨張、輸入コストの上昇など悪材料が重なり、海外投資家が資金を引き揚げようとしている。
同国経済の柱を成す農業と鉱物資源の輸出にとってルピア安は好材料だが、一次産品価格の急落でその効果も帳消しになった。
投資家にとって最大の懸念材料は、民間の対外債務が2007年の金融危機以来、3倍に膨れ上がったこと。その上、昨年からのルピア安で大半の海外投資家は含み損を抱えているとみられる。
インドネシア株式市場は取引の40%を外国勢が占めており、悪材料が重なれば海外資本の大量流出を引き起こしかねない。
バハナTWCインベストメントのプレジデントディレクター、エドワード・リュビス氏は、通貨安に言及し「われわれは株式ポジションを減らしている。1カ月前に比べて楽観的でなくなった」と語った。
ジャカルタ株式市場の総合株価指数<.JKSE>はルピアベースで年初来3.4%上昇したが、ドルベースで見るとアジア地域で最悪級のパフォーマンスになっている。
ルピア
<対外債務>
金融セクターを除く民間の対外債務は14年末時点で1211億8000万ドルと、2007年以来3倍に増え、インドネシアの対外債務全体の41%を占めている。
ノムラのストラテジスト、ミクソ・ダス氏によると、インドネシア企業は債務の40%を海外から借り入れており、通貨安が株価を支えにくい構図となっている。
シティの株式ストラテジスト、フェリー・ウォン氏がインドネシア企業44社の対外債務を分析したところ、11社は正味の対外債務が資本の50%を超えていた。その上、このうち数社は債務について為替ヘッジを掛けていない。
海外投資家が利回りの高いインドネシアの債券市場から徐々に資金を引き揚げ、金利の上昇につながるなら、企業収益を圧迫する恐れもある。
UBSの新興市場ストラテジスト、Bhanu Baweja氏は、金利のボラティリティが高まれば、これまで株式市場を支えてきた裁量的消費や金融、鉱工業といったセクターに打撃が及ぶかもしれないと指摘する。
インドネシア国債の外国人保有比率は3月初めから2%低下して38.4%程度となり、10年物国債利回り<0#IDBMK=>は6.9%から7.5%まで上昇した。
(Fransiska Nangoy記者)