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中国2月CPIは1.4%上昇、PPI低下止まらずデフレ懸念

3月10日、中国国家統計局が発表した2月の消費者物価指数(CPI)は、前年比1.4%上昇で、ロイターが集計した予想(同0.9%上昇)を大きく上回った。上海で2月撮影(2015年 ロイター/Aly Song )
[北京 10日 ロイター] - 中国国家統計局が発表した2月の消費者物価指数(CPI)は、前年比1.4%上昇で、5年ぶりの低い伸びだった1月から大きく加速し、ロイターが集計した予想(同0.9%上昇)を大幅に上回った。
一方生産者物価指数(PPI)は前年比4.8%低下で、低下に歯止めがかからなかった。市場予想は4.3%の低下だった。景気減速をあらためて印象付けるとともに、当局に新たな景気支援策実施の圧力が強まる内容となった。
統計局は、生鮮食品の大幅な値上がりがCPI上昇加速の主因と分析。PPIについては、エネルギーを中心とした世界的なコモディティ価格の下落が低下の背景としている。
中国では、不動産市場の低迷と過剰生産能力に加え、世界経済の不透明感、コモディティ価格の下落でデフレリスクが高まっている。
5日に始まった全国人民代表大会(全人代)では、2015年の成長率目標は昨年の7.5%から引き下げられ7%前後とされた。
今年のCPI上昇率目標は3%前後。昨年の実績は政府目標の3.5%を大幅に下回り2%だった。
中国人民銀行は11月以降2回の利下げを実施。2月には銀行預金準備率も引き下げた。当局が第4・四半期以降の弱い経済指標とデフレ圧力の高まりに懸念を強めている様子がうかがえる。
人民銀行系の金融時報は先月、中国経済がデフレに近づいているとの学術関係者の発言を報じている。
2月の指標は、今年の旧正月が2月19日で、昨年は1月31日だったことによる歪みが影響している可能性がある。
キャピタル・エコノミクスのジュリアン・エバンズ・プリチャード氏は「食品価格が季節要因で上昇したが、短期的なものだろう。今後数カ月で再び1%を割り込むとの見方を変えていない」と指摘。
また、ノムラはリポートで「今後も相対的に低インフレが続くだろう。ディスインフレ圧力が依然として存在する」と指摘。「景気への逆風に対応するため、一段の金融緩和があると予想している」と述べた。
中国の尹蔚民・人事社会保障相は10日、労働市場への圧力が今年さらに強まるとの見方を示している。
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