ニュース速報

ドル上昇、予想上回る米雇用の伸び受け=NY市場

2019年04月06日(土)06時32分

[ニューヨーク 5日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、3月の米雇用統計で非農業部門雇用者数の伸びが予想を上回ったことを受け、ドルが上昇した。

雇用統計では非農業部門の雇用者数が19万6000人増と、前月の17カ月ぶりの弱い伸びから加速し、予想の18万人増も上回った。ただ時間当たり賃金は前月比0.1%増と、伸びは前月の0.4%から鈍化。予想の0.3%も下回った。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマン(ニューヨーク)の世界外為戦略部門責任者、ウィン・シン氏は、「非農業部門雇用者数は予想を若干上回り、2月分はやや上方修正されたが、時間当たり賃金は期待外れな結果となった」とし、「強弱が入り混じる内容だった」と述べた。

雇用統計発表を受けドルは当初は下落し、その後は上向くなどの動きが出たが、相場への影響は総じて軽微だった。午後の取引で主要6通貨に対するドル指数は0.10%上昇の97.402となっている。

連邦準備理事会(FRB)が3月の連邦公開市場委員会(FOMC)で年内の利上げはないとの見通しを示して以来、金融政策の行方の手掛かりを得ようと市場は経済指標に注目。ブラウン・ブラザーズ・ハリマンのシン氏は「FRBが年内に利下げに動くとの観測は時期尚早だが、賃金圧力がまったく見られていないことを踏まえると、年内の利上げ観測は否定される」と指摘。「このため、FRBが様子見姿勢をとり状況を見極めようとする中、再びどっちつかずの状態に入った」と述べた。

トランプ米大統領は雇用統計を受け、FRBは利下げすべきと強調するとともに、経済の下支えに向け非伝統的政策である「量的緩和」の再開が必要になると述べた。

市場は米中通商協議の行方にも注目。トランプ大統領は前日、中国との合意はかなり近づいており、4週間以内に発表する可能性があると述べている。

英ポンドは軟調。英国のメイ首相はこの日、トゥスク欧州連合(EU)大統領宛ての書簡で、離脱期限を6月30日に延期することを申し入れたが、再延長が実現するか疑念が出ている。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

プーチン氏「クルスク州のウクライナ兵の命を保証」、

ビジネス

米国株式市場=急反発、割安銘柄に買い 今週は関税政

ビジネス

NY外為市場=ユーロ上昇、ドイツ財政拡張の可能性高

ワールド

カナダ新首相就任、「米と協力」 早期議会解散との見
MAGAZINE
特集:日本人が知らない 世界の考古学ニュース33
特集:日本人が知らない 世界の考古学ニュース33
2025年3月18日号(3/11発売)

3Dマッピング、レーダー探査......新しい技術が人類の深部を見せてくれる時代が来た

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「若者は使えない」「社会人はムリ」...アメリカでZ世代の採用を見送る会社が続出する理由
  • 2
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦している市場」とは
  • 3
    【クイズ】ウランよりも安全...次世代原子炉に期待の「トリウム」埋蔵量が最も多い国は?
  • 4
    自分を追い抜いた選手の頭を「バトンで殴打」...起訴…
  • 5
    【クイズ】世界で1番「石油」の消費量が多い国はどこ…
  • 6
    中国中部で5000年前の「初期の君主」の墓を発見...先…
  • 7
    白米のほうが玄米よりも健康的だった...「毒素」と「…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「天然ガス」の産出量が多い国は…
  • 9
    「紀元60年頃の夫婦の暮らし」すらありありと...最新…
  • 10
    SF映画みたいだけど「大迷惑」...スペースXの宇宙船…
  • 1
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦している市場」とは
  • 2
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやステータスではなく「負債」?
  • 3
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は中国、2位はメキシコ、意外な3位は?
  • 4
    メーガン妃が「菓子袋を詰め替える」衝撃映像が話題…
  • 5
    白米のほうが玄米よりも健康的だった...「毒素」と「…
  • 6
    うなり声をあげ、牙をむいて威嚇する犬...その「相手…
  • 7
    「若者は使えない」「社会人はムリ」...アメリカでZ…
  • 8
    「これがロシア人への復讐だ...」ウクライナ軍がHIMA…
  • 9
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」…
  • 10
    【クイズ】ウランよりも安全...次世代原子炉に期待の…
  • 1
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 4
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 5
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 6
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 7
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 8
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 9
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 10
    細胞を若返らせるカギが発見される...日本の研究チー…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中