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ECB、出口戦略遂行する必要=リトアニア中銀総裁
[フランクフルト 5日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのバシリアウスカス・リトアニア中銀総裁は、ユーロ圏の経済成長に対するリスクはここ数週間で低減したとし、ECBは景気刺激策の引き揚げを先送りしてはならないとの見解を示した。
バシリアウスカス総裁はロイターのインタビューに対し、米国が世界的な通商戦争で暫定的な休戦を示唆していることに加え、イタリア政府が予算案を巡り欧州委員会に譲歩する兆しが出ていることから、ECBは成長に対するリスクは引き続き均衡しているとの見解を示す必要があると指摘。ただECBは保有債券の償還資金の再投資については期限を設定するべきではないとの考えを示した。
ECBは2兆6000億ユーロ規模の債券買い入れ策を段階的に縮小しており、今月で終了させる。終了後は再投資の政策ツールとしての役割が増大する見通し。保有債券の償還資金は向こう1年間で2000億ユーロを超えると見られている。
バシリアウスカス総裁は「ECBは来週(の理事会で)、資産買い入れ策の終了を正式に決定する。再投資に関しては期限は設けられない」と述べた。
ECBは来週13日の理事会で新たな経済見通しを公表するが、市場では成長率見通しは再び下方修正されるとの見方が出ている。バシリアウスカス総裁はこれについて、「成長サイクルにある程度の正常化が見られると予想している。成長見通しについて大きな驚きがあるとは見ていない」と述べた。
このほか、新たな貸出条件付き長期資金供給オペ(TLTRO)については、他の政策措置と並行して討議するべき案件とし、今回の理事会では何も決定されないとの見方を表明。TLTROは一時的な措置であり、市場資金調達の代替にはなり得ないとし、銀行の資金需要ではなく金融政策に焦点が当てられる必要があるとの考えを示した。