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コラム
トバイアス・ハリス オブザーヴィング日本政治
カタルシスな総選挙後の現実
民主党が真の意味で歴史的な勝利を果たしたが、いま言うべきことは極めて少ない。
結局サプライズはなかった。総選挙の結果は日本のメディアが予測した通りだった。有権者は総選挙までの数カ月間、自民党はもう下野すべきだと意思表示していた。そして投票日になってもひるむことなく自民党にノーを突き付けた。役立たずはついにお払い箱になったのだ。
予想どおり自民党の何人かの大物が敗北したが、数人の著名な改革派議員──塩崎恭久、中川秀直、石原伸晃、河野太郎──は議席を守った。麻生太郎は日曜日夜の早い時間に党総裁として辞意を表明し、後継者をめぐる争いに道を開いた。総裁選の日程によっては争いは長引くかもしれない。自民党は野党になる際、党の構造を改革する必要があるだろう。民主党の内部構造を研究するのだろうか。
民主党は300議席超を獲得した。どのような定義に照らしても尋常ならざる勝利だ。獲得した過半数で何をしてくれるのか、国民は注視している。民主党が再び有権者の審判を仰ぐまで、あと約1年。来年の参院選はあっという間にやって来る。
国民の期待は必ずしもマニフェストの具体的項目に関するものではなく、もっと総合的なものであることを強調しておきたい。民主党政権は目に見える「何か」をする必要がある。日本を新しい方向に向かわせるために少なくとも一歩踏み出したことを有権者に示さないといけない。ご存じのとおり、鳩山が過半数の議席を駆使する能力に私は多くの疑問を抱いている。もちろん、私の見方が結果的に間違っていたとしたら結構なことだ。
今回の総選挙は新たな疑問をいくつも突き付けたが、その答えは時間が経過しないと出ない。この選挙はカタルシスだった。民主党が圧勝すると分かっていても、開票結果はやはりエキサイティングだった。しかし、これから困難が始まる。
[日本時間2009年08月31日(月)01時03分更新]
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