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どんどん不自由になる日本の表現の自由
東京での「表現の不自由展」への妨害
東京の「表現の不自由展」実行委員会によれば、開催を発表した直後から嫌がらせメール・電話が相次いだ。6日からは右翼団体・レイシスト団体による会場への直接的な街宣活動も始まり、神楽坂に怒号が轟いた。同じ場所では子供たちのバレエのレッスンも行われており、影響を懸念したオーナーは、実行委に会場を貸せないと通告した。かくして、実行委は新たな会場を探さなければならなくなった。
記者会見によれば、展覧会のチケットは既に500枚以上売れており、実行委員会は開催そのものを中止する予定はない。会場・日程を調整し、予約者を優先するかたちで開催することを検討している。妨害行為については、刑事告訴などの法的手段を含め検討するという。
右翼による同様の妨害行為
これまでも、天皇制や日本軍の戦争犯罪、植民地責任に関係する企画展は、度々右翼の妨害に合っている。そのことによって開催が難しくなったり中止されたりしたケースも多い。
2012年、写真家の安世鴻による日本軍「慰安婦」の写真展が、東京と大阪のニコンサロンで開催される予定だった。しかし右翼団体による激しい妨害活動が行われたことによって、ニコンはニコンサロンの使用拒否を安世鴻に通告した。裁判所の仮処分によって東京の写真展は開催されたが、結局大阪ではできなかった。
今回も「表現の不自由展」企画者は、会場のオーナーに対して法的手段に訴える選択もあった。しかし、高層ビルの28階にあり警備や安全確保の手段も取りやすいニコンサロンと比べて、神楽坂の小さなギャラリーでこのまま強行するのは、確かに会場側にとって酷だ。他の利用者のことも考えると、会場使用の断念はやむを得ないだろう。
他にも直近では、今年3月に公開された「東アジア反日武装戦線」をテーマにした映画『狼をさがして』も、やはり右翼の妨害によって上映中止に追い込まれた映画館がある。
公共の会場で行うことの重要性
「あいちトリエンナーレ」を批判していた者は、「政治的に偏った」企画に対して補助金を出すことや公の会場を使わせることが問題だとしていた。しかし今回のような「表現」に対する不当な妨害行為があった場合、民間の施設では十分に表現を保護することができない。暴力的な抗議から主催者を守るためにも、こうした企画こそ公の施設を用いて行われるべきなのだ。
右翼は、警察の不作為もあって、「反日」表現を潰すことに手段を選ばなくなっている。大村知事のリコール運動で署名を偽造するという明らかに一線を越えた行動をしてしまったのも、「反日」を潰すためには自分たちは何をしてもいいのだという歪んだ意識がある。多様な文化や芸術を保護するために、公共の会場が開かれている意味はあるだろう。
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