コラム

今こそ、ビジネスも個人の人生設計も、「超長期の視点」が重要になる

2021年01月06日(水)16時00分

バックキャスティングで未来から今を考える

例えば皆さんが今2007年にいると考えて欲しい。
2007年はiPhoneの初号機が米国で発売された年である。この端末を見た時に日本のiモードプラットフォーム上でビジネスをしていた企業の経営企画室の人達はどう考えただろうか。ほとんどが「まあ日本市場では当面大丈夫だろう。少なくとも3年後の中期計画に影響はほとんど無い」と考えたことだろう。

しかし2017年に立ってみるとiモード携帯の販売が終了した年である。確かに10年後にはiモードが終了すると考えた人はその時点では少なかったかも知れない。しかしこうした端末が普及している未来を想像した時にiモードではない利用が普及している世界は十分予見できたことも確かである。その時にその10年後への準備に着手できたかできなかったかがその後のその企業の命運を決める可能性は十分にある。

もちろん未来は予測不可能だ。大事なことは「実現したい未来を自分の意思として描く」ことだ。その実現したい10年先を見た未来に向けての「超長期戦略」が今こそ大事になってくるのだ。

バックキャスティングで未来から今を考えた時に自分の会社や自分の人生で今やるべき行動を考え、できることからまず始める。そうした戦略をたてることが重要な時代であることだけは間違い無い。本連載では今後こうした超長期の視点で読者の方々に様々な気づきやヒントを与えることを狙って行きたいと思う。

プロフィール

藤元健太郎

野村総合研究所を経てコンサルティング会社D4DR代表。広くITによるイノベーション,新規事業開発,マーケティング戦略,未来社会の調査研究などの分野でコンサルティングを展開。J-Startupに選ばれたPLANTIOを始め様々なスタートアップベンチャーの経営にも参画。関東学院大学非常勤講師。日経MJでコラム「奔流eビジネス」を連載中。近著は「ニューノーマル時代のビジネス革命」(日経BP)

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