今こそ、ビジネスも個人の人生設計も、「超長期の視点」が重要になる
バックキャスティングで未来から今を考える
例えば皆さんが今2007年にいると考えて欲しい。
2007年はiPhoneの初号機が米国で発売された年である。この端末を見た時に日本のiモードプラットフォーム上でビジネスをしていた企業の経営企画室の人達はどう考えただろうか。ほとんどが「まあ日本市場では当面大丈夫だろう。少なくとも3年後の中期計画に影響はほとんど無い」と考えたことだろう。
しかし2017年に立ってみるとiモード携帯の販売が終了した年である。確かに10年後にはiモードが終了すると考えた人はその時点では少なかったかも知れない。しかしこうした端末が普及している未来を想像した時にiモードではない利用が普及している世界は十分予見できたことも確かである。その時にその10年後への準備に着手できたかできなかったかがその後のその企業の命運を決める可能性は十分にある。
もちろん未来は予測不可能だ。大事なことは「実現したい未来を自分の意思として描く」ことだ。その実現したい10年先を見た未来に向けての「超長期戦略」が今こそ大事になってくるのだ。
バックキャスティングで未来から今を考えた時に自分の会社や自分の人生で今やるべき行動を考え、できることからまず始める。そうした戦略をたてることが重要な時代であることだけは間違い無い。本連載では今後こうした超長期の視点で読者の方々に様々な気づきやヒントを与えることを狙って行きたいと思う。
この筆者のコラム
地方都市における超長期戦略 衰退シナリオからの脱却のために 2021.08.03
「人類のサバイバルに寄与する」、イーロン・マスクが描く破壊的フィジカルバリューチェーン 2021.06.18
なぜ今、トヨタが「街」を創るのか、あらためて考える 2021.03.26
「多拠点生活」の実現が、これからの日本経済を活性化させる 2021.02.15
パンデミック後の3つの近未来マクロシナリオ 2021.01.07
今こそ、ビジネスも個人の人生設計も、「超長期の視点」が重要になる 2021.01.06